[Memo2011][ITPASS]サーバ交換作業1週間後に行う作業

概要

ITPASS サーバにはバックアップとサーバ本体のトラブル時に代替するための予備サーバを立ててある. /home 以下のいくつかの領域に関して, ITPASS サーバ本体から予備サーバへ定期的にバックアップを取る.

この作業は, 本サーバが正しく動作しているかの確認が取れてから行うため, サーバ交換後すぐには行わず, サーバ交換後しばらくしてから行う.

バックアップする領域

バックアップを取る領域は, 原則的にグループで管理する資源や, システムにとって必要な資源である.

2010/11/10 現在, 以下の領域をバックアップの対象とする.

  • aoelab cps epalab itpass gate

バックアップの際の認証方式

バックアップには rsync を用いる. root アカウントでバックアップを行うが, セキュリティを高めるため, その認証には SSH + 公開鍵暗号を用いる.

準備

以降では, 運用中の ITPASS サーバのホスト名を itpass, 予備サーバを itpassbk と称する. 実際には, 使用するホストの名称に置き換えて作業を行う.

まず, itpass, itpassbk ともに SSH デーモンが立ち上がっている必要があるため, [ITPASS2010]sshのインストールと設定 を先に行った.

itpass 側での公開鍵作成

バックアップのための公開鍵を作成した.

itpass$ sudo -s -H
itpass# cd /root
itpass# ssh-keygen -t dsa

(鍵はデフォルトの /root/.ssh/id_dsa とした)
(パスフレーズは空にした)

itpassbk 側の鍵の設置

itpass で作成した公開鍵 itpass:/root/.ssh/id_dsa.pub を itpassbk:/root/.ssh/authorized_keys にコピーした. ここで, root で直接鍵を置きにいこうとすると, itpassbk 側の root パスワードが必要になるので, 一度, itpass の root で itpassbk の自分のディレクトリに鍵を置き, その後, itpassbk で root となって authorized_keys に追記した.

このままでは itpass で root を取られると itpassbk もそのまま乗っ取られることが考えられるため, 公開鍵認証の際にはバックアップ以外の動作をできないよう, また ITPASS ドメイン以外からのアクセスを受け付けないよう制限をかけた. 上記で設置した authorized_keys 内の itpassbk の (authorized_keys に先ほど追記した) 公開鍵の行の冒頭に以下を加えた. そして, 最後の "no-agent-forwarding" と公開鍵の冒頭に書いてある "ssh-dss" の間に空白を一文字入れた.

command="rsync --server -vlogDtpr --delete . /home/",no-pty,
from="ika-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp",no-port-forwarding,
no-X11-forwarding,no-agent-forwarding

itpassbk 側の通信許可

最近の OpenSSH では, デフォルトでは root のログインを許可しないため, 設定を変更した. /etc/ssh/sshd_config の

PermitRootLogin no

という部分を

PermitRootLogin forced-commands-only

に変更したのち,

itpassbk# /etc/init.d/ssh restart

として設定を反映させた. これにより, itpassbk 側の鍵の設置 で指定したコマンドでのみログインを許可するようにした.

itpass 側でのデータ転送用スクリプトの設置

自作スクリプト用 cron ディレクトリ作成

/etc/cron.local と /etc/cron.local/daily は作成済みであった.

バックアップ用スクリプトの用意

概要

オリジナルのバックアップスクリプト rsync_epabk.shこのよう に書き換える.

また, 書き換えたものは rsync_itpassbk.sh にある.

この書き換えたものを, /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk に設置する. (スクリプト先頭の番号は, その他のスクリプトを置いた際, どれを 優先して実行するかを決めるためのものである. 若い番号のものほど 先に実行される).

具体的には

以下のコマンドで書き換えたものををダウンロードした.

# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/ftp/server/2010/system_backup/rsync_itpassbk.sh 

ダウンロードしたファイルを, 以下のように名前を変えて移動した.

# mv rsync_itpassbk.sh /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk 

/etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk に実行権限を設定した.

# chmod 755 /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk 

バックアップ用スクリプトの編集

itpass および itpassbk のホスト名やバックアップする領域に応じて, 230_rsync_itpassbk を編集する. 主に編集するのは以下の項目であるが, 先に修正済みのスクリプト rsync_itpassbk.sh をダウンロードした場合は, 以下は何も修正しなくてよいということなので, 確認のみを行った.

["SHARED_HOST"]

バックアップを行う 2 つのホスト (本文書での itpass および itpassbk) のドメイン名 (ホスト名 + ドメイン名) をスペースで区切って 記述してあることを確認した. 送信元と送信先で順序を変える必要は無い.

このスクリプトではスクリプトを起動するホストが必ず 転送元で, もう一方が転送先になるようになっている.

["BKSUBDIRS"]

転送する領域を記述する. これは バックアップする領域 に応じて書き換えてあることを確認した.

なお, "hoge/" 等と最後にスラッシュをいれると転送がうまく 行かなくなる.

crontab の編集

/etc/crontab を編集し, 以下の一行を追加しなければならないが, 今回はすでに以下のように記載されていた. 出力結果に関してメールを送信する設定になっていた.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily |mail -s "`hostname -f` daily run outputs" xxx@xxx.xxxx

バックアップログファイルの作成

ログファイルのためのファイルを作成した. なお, このログファイルの場所は バックアップ用スクリプトの用意 で用意した 230_rsync_itpassbk 内の LOGFILE を書き換えることで変更できる.

# touch /var/log/rsync-log/itpassbk.log 

バックアップログファイルの logrotate の設定

rsync のログを 1 週間毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_itpassbk という設定ファイルを作成した.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_itpassbk

以下の内容書き込んだ.

/var/log/rsync-log/itpassbk.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

itpassbk のローカルバックアップの停止

220_rsync_localbk_root, 225_rsync_localbk_home の実行権限を外した.

# cd /etc/cron.local/daily/
# chmod a-x 220_rsync_localbk_root 225_rsync_localbk_home
Last modified:2011/11/11 19:39:15
Keyword(s):
References:[[ITPASS2011]2011年度サーバ構築ログ]