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Debian GNU/Linux 5.0(lenny) の設定


  1. 概要
  2. vi の使用に関して
  3. sudo の設定
  4. X の設定
  5. APT の設定修正
  6. 時刻の設定
  7. セキュリティーアップデート
  8. 参考文献

概要

Debian GNU/Linux 5.0(lenny) のインストール 後の設定を行います.

vi の使用に関して

テキストエディタとして, 以下では vi を使用するようにしています. 使用方法に関しては エディタ vi を参照してください.

sudo の設定

sudo の意義

情報実験のように複数の人間で PC を管理することを考えましょう. この場合, 複数の人間がルートになる必要がありますが, ルートのパスワードを共有する のはセキュリティ上危険です. このような場合は sudo コマンドを用いて, 特 定のユーザが自分のパスワードでルート権限でコマンドを実行できるようにし ましょう.

ここで注意しておきたいことは, 今後 Linux にログインするときには, root でログインしてはいけません. root は何でもできますので, 誤って重要なファ イルを消してしまう可能性があります. 作法として, 本当に必要な場合にだけ root になるようにしましょう.

sudo 設定の作業

ここでは sudo を用いることで, 例えば hoge さんが, 自分のパスワードを用 いて別のユーザ (例えば, 以下の設定では root) の権限でコマンドを実行で きるようします.

/etc/sudoers を編集します. このファイルを編集する際には, visudo という コマンドを用います (visudo コマンドは複数同時の編集を禁止したり, 文法 エラーをチェックしてくれます). では root でログインして, まずは以下のコマンドを実行してください.

# export EDITOR=vi

visudo は環境変数 EDITOR で設定されているエディタが立ち上がるコマンドですが, 最近のデフォルトは vi ではないので vi に設定しておきます. その後で, visudo コマンドを実行しましょう.

# visudo

以下の 1 行を# User privilege specificationの下に追加します.

hoge ALL=(ALL) ALL

各フィールドの意味は次の通りです.

| hoge 

sudo できるユーザのアカウント名. "%" を付けると特定のグループを指す.

|      ALL

ホストに対する許可 (/etc/sudoers にホストに対するエイリアスを 書かない限り ALL にしておけば良い)

|          (ALL)

sudo によって成り替わることが可能なユーザ (ALLの場合には全てのユーザに成り替わることが可能)

|                ALL

利用できるコマンドの制限 (ALL ならば, 上記の丸括弧で 括ったユーザの使える全てのコマンドを利用できる)

この情報実験では, 今回アカウントを作ったユーザが全員管理者なので, この設定を作成したユーザ全てについて行ってください. (もちろん普段サーバ等を運用する際にはむやみやたらと上記の設定を してはいけません).

sudo の使い方

使い方は, 使いたいコマンドの前に sudo と付け加えるだけです. 例えば /etc/shadow は root しか見ることの出来ないファイルですが, sudo でルー ト権限が与えられているユーザの場合は

$ sudo cat /etc/shadow

とすることで見ることが可能です. 但しパスワードを聞かれますので, その時 は自分自身のパスワードを入力して下さい.

また, root に成り代わって作業を行う際には

$ sudo -s

としてください. プロンプトが '#' となり, 以後は root で作業する ことが可能です. root から一般ユーザに戻る際には

# exit

とします.

以後の作業は root でログインするのではなく, 一般ユーザでログインした後, sudo を用いて root に成り代わって作業してください.

X の設定

GUI (グラフィカルユーザインターフェース) 環境で作業するため, X の設定を行います.

まずアプリケーションの「端末」を起動します.

root に成り代わり, 以下のようにコマンドを入力してください.

# export LANG=C
# dpkg-reconfigure xserver-xorg

すると X の設定画面が表示されるので, (2つ目の質問で)VGA ドライバとして ati ではなく vesa を選択してください. その他の質問に関してはデフォルト (カーソルが元々 置かれている項目) を選択してください. その後, 以下のコマンドで再起動を行ってください.

# shutdown -r now

再起動すると, GDM (Gnome デスクトップマネージャ) が立ち上がり, GUI インターフェースのログイン画面が表示されます.

しかし, 本実習ではCUIログインプロンプトに慣れてほしいことと, startx というコマンドを知っておいてほしいために GDM を削除します.

そこで, 誰か一人がログインして XTerm を立ち上げ, sudo を用いて root になり代わって以下のコマンドを入力してください.

# apt-get remove gdm

すると GDM が削除され, 再び再起動をすると CUI によるログイン画面が立ち上がります.

もしグラフィカルなログイン画面に戻したい場合は,

# apt-get install gdm

として, もう一度 GDM をインストールしなおしてください.

APT の設定修正

以下のコマンドで apt-line (APT によるダウンロード先の設定) の修正 を行います.

# mv /etc/apt/sources.list /etc/apt/sources.list.org
# vi /etc/apt/sources.list

以下のように書き込んでください.

deb http://ftp.jp.debian.org/debian lenny main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian lenny main contrib non-free

deb http://security.debian.org/ lenny/updates main contrib non-free
deb-src http://security.debian.org/ lenny/updates main contrib non-free

apt-line の修正後, 以下のコマンドでパッケージリストを更新します.

# apt-get update

時刻の設定

コンピュータ内の時刻を定常的に正しくしておくための設定を行います.

まず, 以下のコマンドで ntpdate パッケージをインストールします.

# apt-get install ntpdate

次に, 以下のコマンドで時刻を修正します. コマンド入力後しばらくすると NTP (Network Time Protocol) サーバより返答が返り, 時刻が修正されます.

# /usr/sbin/ntpdate-debian

下記のように date コマンドで時刻が正しくなっていることを確認してください.

# date
2008年  6月 13日 金曜日 16:17:04 JST

次に, 上記のような時刻修正コマンドを毎日実行するための設定を 行います.

# vi /etc/cron.daily/ntpdate

この ntpdate ファイルには以下のように書き込んでください.

#!/bin/sh
/usr/sbin/ntpdate-debian > /dev/null 2>&1

最後に, このファイルのパーミッションを以下のように設定してください.

# chmod 755 /etc/cron.daily/ntpdate

セキュリティーアップデート

セキュリティーのために root のままで, 以下のコマンドを入力してください.

# apt-get update

# apt-get upgrade

Linux のカーネルイメージが更新される場合には, その後再起動を行ってください.

以下のコマンドを入力して, root から一般ユーザーに戻りましょう.

# exit

参考文献


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Last Updated: 2009/03/27 (佐々木 洋平), Since: 2008/06/04 (今村 翔太)