IT pass HikiWiki - [EPA2008]ezmlmのインストールと設定 Diff

  • Added parts are displayed like this.
  • Deleted parts are displayed like this.

{{toc}}

[((<EPAサーバ構築ドキュメント>)) へ戻る]

サーバ上でメーリングリストを管理できるようにするため,
メーリングリスト管理ソフトとして ezmlm を導入する.

== ezmlm のインストール

=== ezmlm とパッチダウンロードと展開

取得元や最新バージョンについては
((<ezmlm オリジナル|URL:http://cr.yp.to/ezmlm.html>))
を参照のこと.

  # cd /usr/local/src
  # wget http://cr.yp.to/software/ezmlm-0.53.tar.gz

  # tar xfvz ezmlm-0.53.tar.gz

=== ezmlm のパッチあてとビルド

まず, 2.3.1 以降の glibc 上で動くため, というのと log.h を使用するよう,
パッチを当てる. パッチは
((<ezmlm パッチ|URL:files/ezmlm-glib-log.patch>))
から入手する. パッチは /usr/local/src 以下に置く.

  # cd ezmlm-0.53/
  # patch  < ../ezmlm-glib-log.patch

バイナリファイルのインストール先はこれまでのやり方にあわせ,
/usr/local/ezmlm/bin 以下としたいので, conf-bin を以下のように
書き換える.

  # vi conf-bin

  /usr/local/ezmlm/bin

man のインストール先も以下のように変更する.

  # vi conf-man

  /usr/local/ezmlm/man

これらのインストール先ディレクトリである /usr/local/ezmlm は先に作って
おく必要があるので手動で作成する.

  # mkdir /usr/local/ezmlm

conf-qmail に記述されているディレクトリが
((<qmail のソースの取得とコンパイル>)) で qmail がインストール
されているディレクトリと一致していることを確認.

  # cat conf-qmail

  /var/qmail

  # ls /var/qmail
  alias/  bin/  boot/  control/  doc/  man/  queue/  rc*  users/

確認が終わったら, make でバイナリを, make man でマニュアルをビルドし,
make setup でインストールする.

  # make
  # make man
  # make setup


== ezmlm の実行ファイルへのパスの設定

インストールした ezmlm の実行ファイル群へパスを通す.

((<[EPA2008]パスの設定>)) の((* <一般ユーザ用コマンドのパス> *))
に ((*/usr/local/ezmlm/bin*)) を追加する.

== ezmlm のマニュアルへのパスの設定

/etc/manpath.config に以下の行を追加する.
詳しくは ((<[EPA2008]パスの設定#man 関連のパスの設定>)) を参照のこと.

  MANDATORY_MANPATH                        /usr/local/ezmlm/man
  MANPATH_MAP        /usr/local/ezmlm/bin  /usr/local/ezmlm/man
  MANDB_MAP          /usr/local/ezmlm/man  /usr/local/ezmlm/man

=== ezmlm のテスト

メーリングリスト (ML) を作成する. 詳細は ezmlm-make の man (日本語訳) 参
照. ここでは自分の chikuwa* ユーザで, chikuwa*-testlist というメーリングリストを作成する. 以下では chikuwa1 で作業する.

  $ mkdir ~chikuwa1/ezmlm-test
  $ ezmlm-make ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist ~/.qmail-testlist chikuwa1-testlist epa.scitec.kobe-u.ac.jp

このコマンドにより, ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist が作成される.

次に作成した ML に ML 主催者が手動で講読者を追加する. 詳細は ezmlm-sub
の man (日本語訳) 参照.

注意: 以降, アドレスの '_at_' は '@' に読み替えること.

  $ ezmlm-sub ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist chikuwa1_at_epa.scitec.kobe-u.ac.jp

登録されているアドレスは,

  $ ezmlm-list ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist

で一覧される. 詳細は ezmlm-list の man (日本語訳) を見よ.

登録が終了したら ML へ投稿してみる. 先程登録したアドレスへ届くか確かめる.

  $ echo Subject:Ezmlm_Test | qmail-inject chikuwa1-testlist_at_epa.scitec.kobe-u.ac.jp

  $ less ~chikuwa9/Mailbox

次に ML の自動処理コマンドを確かめる. 自動処理コマンドの詳細は
((<URL:http://mlm.qmail.jp/ezmlm/chart.html>)) を見よ.
始めに投稿アーカイブから
記事を取り出すコマンドを試す. 記事が送られてくるかを確認する. ep ドメ
インの MX が張られていない場合は /var/qmail/control/defaulthost をホス
ト名までいれたドメイン (フルドメイン) にする必要がある.

  $ qmail-inject chikuwa1-testlist-get.1_at_epa.scitec.kobe-u.ac.jp < /dev/null

次に ML 参加者による自動登録抹消を試す. 確認メールが送られてくるのでそ
の指示に従い登録抹消する. ep ドメインの MX が張られていない場合
/var/qmail/control/defaulthost をホスト名までいれたドメイン (フルドメ
イン) にする必要がある.

    $ qmail-inject username-testlist-unsubscribe_at_epa.scitec.kobe-u.ac.jp < /dev/null

登録を抹消できたかどうか確認するため, ML 登録アドレス一覧を見る.

    $ ezmlm-list ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist


== ezmlm-idx のインストール

ezmlm に idx パッチを当てることで,
メッセージをまとめて読むのに便利なダイジェスト機能の利用や,
Subject の加工ができるようになる.

=== ezmlm-idx のダウンロード

バージョン 0.40 の ezmlm-idx をダウンロードする.
最新版として既に 6.0.0 まで出ているらしいが
( ((<URL:http://www.ezmlm.org/archive/>)) 参照 ),
Web にインストールドキュメントがあまり出回っていないため,
0.40 を使ってしまう.

  # cd /usr/local/src
  # wget http://www.ezmlm.org/archive/0.40/ezmlm-idx-0.40.tar.gz

=== ezmlm のソースコードへのパッチあて

以下の ezmlm-0.53 は ((<ezmlm のパッチあてとビルド|[EPA2008]ezmlmのインストールと設定#ezmlm のパッチあてとビルド>)) で使用された
ディレクトリであることを想定している. 特に conf-bin や conf-man などが
変更されているため, 既に ezmlm-0.53 を削除してしまっている場合は上記
のビルド前の設定を行うこと.

  # tar xfvz ezmlm-idx-0.40.tar.gz
  # cp -r ezmlm-0.53 ezmlm-0.53-patched_by_idx
  # mv ezmlm-idx-0.40/* ezmlm-0.53-patched_by_idx/
  # rmdir ezmlm-idx-0.40
  # cd ezmlm-0.53-patched_by_idx/
  # patch < idx.patch

crontab のありかを調べる.

  $ which crontab
  /usr/bin/crontab

/usr/bin にあれば先へ進む. 違う場所にある場合は conf-cron にありかを書
き込む.

MySQL (解説は ((<URL:http://www.mysql.com/>)) もしくは
((<日本語マニュアル|URL:http://www.mysql.gr.jp/jpdoc/3.22/manual.ja_toc.html>))
) を使う
か否かを決定.  ここでは使わないこととして先に進む. 使う場合にはこの段
階でやるべき作業がある.

  $ make clean
  $ make; make man
  $ make jp

最後の行は使用言語を選ぶものである. jp は日本語を意味する.  これによっ
て自動管理要請に ezmlm が応えてユーザに送る文言 (詳細) が日本語になる.


=== インストール前の ezmlm-idx の動作テスト

一時的にユーザ eztest を作成し (テスト後すぐ削除する), ezmlm-idx のコ
マンドバイナリ群が実行できるか確かめる (ezmlm-test コマンド).
ezmlm-test を実行する前に ezmlm-idx のコマンドバイナリ群にパスが通って
いるかを確認されたい.

  # chmod 755 ezmlm-test
  # adduser --uid 50000 eztest
  # su eztest

ここで su eztest と行ったが sudo コマンドを用いる場合はデフォルトでは
環境変数 $HOME がログインしたユーザとなったままとなり正しく実行されな
いので -H オプションをつけて実行する.

  $ ./ezmlm-test

    testing ezmlm-idx:    ezmlm-idx-0.40
    Using FQDN host name: epa.scitec.kobe-u.ac.jp
    ezmlm-make (1/2):     OK
    Using RDBMS support:  No.
    testing for qmail:    >=1.02
    ezmlm-reject:         OK
    ezmlm-[un|is]sub[n]:  OK
    ezmlm-send (1/2):     OK
    ezmlm-tstdig:         OK
    ezmlm-weed:           OK
    ezmlm-make (2/2):     OK
    ezmlm-clean (1/2):    removed mod queue entry 3 that wasn't due

上記のように正常に実行されることが確認されたら, exit する.

  $ exit


=== ezmlm-idx のリビルド

MySQL を使わない場合は以下を実行する (使う場合には異なる作業が要る).

  # make std
  # make

以下を実行して ezmlm-idx のコマンドバイナリを /usr/local/ezmlm/bin 以
下にコピーする.

  # make setup

=== インストール後の ezmlm-idx の動作テスト

インストールされた ezmlm-test を実行する.
/usr/local/ezmlm/bin/ 以下のコマンドバイナリ群にパスが通っているか
も同時に確認する.

  # su eztest
  $ source /etc/profile  # bash の場合
  $ echo $PATH
    .... /usr/local/ezmlm/bin   # <- ここにパスが通っていることを確認
  $ cd /usr/local/src/ezmlm-0.53-patched_by_idx
  $ ./ezmlm-test

    testing ezmlm-idx:    ezmlm-idx-0.40
    Using FQDN host name: epa.scitec.kobe-u.ac.jp
    ezmlm-make (1/2):     OK
    Using RDBMS support:  No.
    testing for qmail:    >=1.02
    ezmlm-reject:         OK
    ezmlm-[un|is]sub[n]:  OK
    ezmlm-send (1/2):     OK
    ezmlm-tstdig:         OK
    ezmlm-weed:           OK
    ezmlm-make (2/2):     OK
    ezmlm-clean (1/2):    removed mod queue entry 3 that wasn't due

  $ exit
  # userdel -r eztest

== prefix.pl の設置

cps 関連のメーリングリストに流れたメールの件名に番号を振るため,
((<prefix.pl|URL:http://epa.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/epa/ml_prefix/prefix.pl>))
を /usr/local/lib/prefix.pl に置く.

  # cp /home/itpass/ftp/epa/ml_prefix/prefix.pl /usr/local/lib/prefix.pl
  # chown root:root /usr/local/lib/prefix.pl
  # chmod 755 /usr/local/lib/prefix.pl


== ezmlm の自動送信メールのヘッダの設定修正

ezmlm-idx バージョン 0.40 による日本語化だけでは,
自動送信メールのヘッダの Content-type の charset が
us-ascii に指定されてしまうため,
メーラーによっては日本語が文字化けして表示される.

これを解決するため, /usr/local/ezmlm/bin/ezmlmrc の末尾に

</charset/>
iso-2022-jp

を追加する.

こうすることで, ezmlm-make コマンドで新しくメーリングリストが
作成された際に, 自動送信メールのヘッダの文字コードが iso-2022-jp
であると宣言するように設定される.
これは ezmlm-idx によってインストールされた
日本語版の自動送信メールのテンプレートと同じ文字コードである.

  # cd /usr/local/ezmlm/bin
  # cp ezmlmrc ezmlmrc.org
  # echo \</charset/\> >> ezmlmrc
  # echo iso-2022-jp >> ezmlmrc


== 自動送信メールの日本語化のテスト

  $ mkdir ~chikuwa1/ezmlm-test
  $ ezmlm-make ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist ~/.qmail-testlist chikuwa1-testlist epa.scitec.kobe-u.ac.jp

testlist ディレクトリ内に charset というファイルが作成されており,

iso-2022-jp

と記述されていることを確認.

$ ezmlm-sub ~chikuwa1/ezmlm-test/testlist chikuwa1_at_epa.scitec.kobe-u.ac.jp

適当なメーラーから
chikuwa1-testlist-help_at_epa.scitec.kobe-u.ac.jp 宛に
メールを送ると,
日本語のヘルプメッセージが文字化けすることなく表示できた.



== 参考文献

* ((<実用qmailサーバ運用・管理術 |URL:http://www.atmarkit.co.jp/flinux/index/indexfiles/index-linux.html#qmail>)) (@IT)
  * ((<第 4 回 メーリングリストの構築と運用(前編)|URL:http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/qmail04/qmail04a.html>))
  * ((<第 5 回 メーリングリストの構築と運用(後編)|URL:http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/qmail05/qmail05a.html>))
* ((<ezmlm-idx|URL:http://homepage3.nifty.com/Q81/doc/ezmlm-idx.html>))


[((<EPAサーバ構築ドキュメント>)) へ戻る]