[ITPASS2009]gate-toroku-systemのインストールと設定

作業用アカウントの作成

  • gate-toroku-system 管理アカウント gate を作成する.

ユーザ ID は 1 -- 999 の間(システムユーザ領域)に設定する(以下では 500 とする).

# adduser --uid 500 --disabled-password gate

登録の際, フルネームには「Administrator of gate-toroku-system」を用いる.

  • gate グループに gate 管理者とスタッフ数名を加える.

gate 管理者については, [ITPASS2009]gate-toroku-systemの開発とメンテナンス#開発メンバーのユーザおよび, gate のインストールを行ったメンバーとする.

# vigr

gate:x:500:murashin,uwabami,noda,gaia,furuya,yukai

# vigr -s

gate:!::500:murashin,uwabami,noda,gaia,furuya,yukai

gate-toroku-system のソースを取得

gate-toroku-system のソース (gate-toroku-system.tar.gz) を old の /home/gate/ から入手し, new の /home/gate に置く.

必要なソフトウェアのインストール

  • まず, gate に必要なパッケージをインストールする. 以下の 2 行を /etc/apt/sources.list に加える.

    deb http://www.gfd-dennou.org/arch/cc-env/Linux/debian-dennou stable/
    deb-src http://www.gfd-dennou.org/arch/cc-env/Linux/debian-dennou stable/
  • その後, 以下のコマンドで, 必要なパッケージをインストールされていることを確認する.

    # apt-get update
    # apt-get install perl-suid rsync wget htroff cvs
    # apt-get install libjcode-pm-perl
    # apt-get install libcrypt-passwdmd5-perl
    # apt-get install libdatetime-perl
    # apt-get install libdatetime-format-strptime-perl

実行ファイルや man 用ファイル, HTML ファイルは /usr/local/gate 以下にインストールされる.

gate ユーザへのメールの転送

/home/gate/.qmail に gate 管理者およびスタッフ数名のメールアドレスを書き込む. メンバーは上記の 作業用アカウントの作成 でグループに加えたものと同じにする.

# vi /home/gate/.qmail

&murashin
&uwabami
&noda
&gaia
&furuya
&yukai

gate-toroku-system ソースの展開

gate-toroku-system のソースを取得 で取得したソースを展開する.

$ cd /home/gate
$ tar xvfz gate-toroku-system.tar.gz
$ cd gate-toroku-system

gate-toroku-system の設定ファイルを編集

gate.conf の中身を以下のように編集する.

# データベースサーバ (CGI が動作するホスト)
#
#   個々のマシンが、「自身がデータベースサーバであるか」といったことにも
#   使用するため、データベースサーバ内で "hostname -f" で得られる
#   結果と同じになっている必要があります。

        $DBSERVER = "new-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp";

gate-toroku-system CGI を動作させるための apache2 設定

以下では CGI の動作に関して, apache2 の設定について確認すべき点を挙げる.

  • apache を動作させるユーザ, グループ

    apache がどのユーザ, グループの権限で動作するかは httpd.conf 内の「 User 」 および「 Group 」で指定される.

    User www-data
    Group www-data 

    この「 User 」,「 Group 」に指定されているユーザ, グループが gate.conf における $CGIUSER に指定されているユーザと一致していることを確認する.

    $CGIUSER = "www-data"; 
  • /usr/local/apache2/cgi-bin/ の CGI が動作するために httpd.conf で下記の記述があることを確認する.

    <Directory "/usr/local/apache2/cgi-bin/">
        AllowOverride AuthConfig Limit
        Options ExecCGI FollowSymLinks IncludesNoExec
    </Directory>

make とインストール

# su gate
$ cd ~gate/gate-toroku-system/
$ perl ./config.pl
$ make

$ exit

$ sudo -s
# cd ~gate/gate-toroku-system
# make install

実行ファイルや man 用ファイル, HTML ファイルは /usr/local/gate 以下にインストールされる.

(IP 管理用の設定ファイルも同様の場所に gate-ip.confとしてインストールされる).

cgi のシンボリックリンク作成

/usr/local/gate/lib/cgi-bin 以下にインストールされる cgi のシンボリックリンクを /usr/local/apache2/cgi-bin 以下に作成する.

# cd /usr/local/apache2/cgi-bin
# ln -s ../../gate/lib/cgi-bin/gate-*.cgi .

インストールした実行ファイルへのパスの設定

インストールした gate-toroku-system の実行ファイル群へパスを通す.

[ITPASS2009]パスの設定 <一般ユーザ用コマンドのパス> /usr/local/gate/bin を, <システム管理用コマンドのパス> /usr/local/gate/sbin を追加する.

インストールしたマニュアルへのパスの設定

[ITPASS2009]パスの設定#man 関連のパスの設定 を参照し, /etc/manpath.config に以下の行を追加した.

MANDATORY_MANPATH                             /usr/local/gate/man/ja
MANPATH_MAP        /usr/local/gate/bin        /usr/local/gate/man/ja
MANPATH_MAP        /usr/local/gate/sbin       /usr/local/gate/man/ja
MANDB_MAP          /usr/local/gate/man/ja     /usr/local/gate/man/ja

Web インターフェースのチェック

https://new-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~gate/ にアクセスし,gate 登録システムのインデックスページが見えるか確認する. また, そのページからリンクされている個人申請 (https://new-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/cgi-bin/gate-user-apply.cgi) などに移動し, CGI が動作しているかチェックする.

ユーザの作成

/home/gate/userdb 以下のコピー

この作業では old から new へ root ログインする必要がある. そのため, 準備として root ログインの許可を設定する. 作業内容については下記のリンクを参照のこと.

[ITPASS2009]sshのインストールと設定#パスワード認証の拒否と root ログインの拒否設定を参照.

  • oldhost のユーザデータベースを newhost にコピーする.
    • old の /home/gate/userdb を new 内の /home/gate/userdb にコピーする.
    • まず, -n オプションを付けて rsync の動作チェックを行う.

いきなり rsync コマンドを実行すると予期せぬ間違い (転送元と転送先の設定を間違って, 転送先のファイルを全て消してしまう等) が起こりうるため, まずは rsync コマンドに -n オプションをつけて実行する. -n オプションをつけて実行すると, 実際のファイルの転送は行わずに, 転送されるはずのファイルのリストが出力される.

old-itpass# rsync -n -av --delete /home/gate/userdb/ new-itpass:/home/gate/userdb/
  • 実際にコピーを行う.

    old-itpass# rsync -av --delete /home/gate/userdb/ new-itpass:/home/gate/userdb/
  • root ログインを不許可に設定し直す.

/etc/shadow のコピー

gate-toroku-system では, /etc/shadow に存在しないユーザがデータベース内に居た場合, 初めてユーザを作成したと認識してメールを送信するようになっている.

移行作業の際に大量のメールが送信されないよう, 先に old の /etc/shadow の一部を new の /etc/shadow にコピーする.

  • old 内の /etc/shadow を開き, gate-toroku-system で管理されるユーザのエントリのみ new 内の /etc/shadow にコピーする.

gate-toroku-system で管理されるユーザは UID 1000 〜 29999 までであるため, old の /etc/passwd 内でユーザ名と UID とを比較してコピーすべきユーザを判断する.

最初の保証人ユーザ作成

個人申請 (https://new-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/cgi-bin/gate-user-apply.cgi) にアクセスし, 管理グループの代表者のユーザ登録申請を行なう. 保証人は先につくったユーザ "gate" とする.

/home/gate/userdb/pending の下に登録者のデータベースファイル (申請ログイン名がついたファイル) が生成されているか確認する.

申請が受け付けられた後, 承認を経てはじめてアカウントが生成される. そこで今回行った申請にも承認を行う. そのために保証人 "gate" の登録システム用パスワードを設定する. gate ユーザの権限で以下のコマンドを実行する.

# su gate
$ cd 
$ htpasswd -c ~gate/.gate gate 

ここで投入したパスワードを用いてユーザ "gate" として保証人のユーザ登録承認 (https://tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/cgi-bin/gate-user-accept.cgi) を用いる )を行う. /home/gate/userdb/stable に承認されたユーザのデータベーススファイルが移動していることを確認する.

アカウント生成

/home/gate/userdb の中にあるデータベースファイルをシステムに反映させるために, ルートで /usr/local/gate/lib/gate-daily を起動する.

  • gate-daily は /etc/gate/gate.conf を参照するので, 起動前に gate.conf 内の 'old-itpass' を 'new-itpass' と書き換えておく.

    # perl /usr/local/gate/lib/gate-daily

/etc 内に存在する passwd, group, shadow, sudoers ファイルが更新され, それぞれ .bk を付加した名前のバックアップファイルが生成される. ファイルに登録したユーザの情報が新たに書き込まれていることを確認する.

また /home に /home/gate/userdb 以下に存在するユーザのディレクトリができていることを確認する.

デーモンモードでの運用

ユーザ, ホストのデータベースをシステムに反映させる方法として デーモンモードとクロンモードがある. 以下ではデーモンモードで運用する方法を記す.

  • gate-sys.conf の設定

    /etc/gate/gate-sys.conf 中の $USE_DAEMON 変数が 1 であることを確かめる.

    $USE_DAEMON = 1; 
  • gate-toroku-system 用のポートの作成

    /etc/inetd.conf に以下の一行を付け足す.

    gate stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd /usr/local/gate/lib/gate-daily -N
  • ポート番号の設定

    /etc/services に以下の行を付け足す.

    gate              8888/tcp          # gate-toroku-system
  • TCP wrapper によるセキュリティ強化

    gate ポートは, 登録サーバからのアクセスさえ受け付けられればその役目を果たす. そのため, TCP wrapper を使用してアクセスを登録サーバからのものに限定する.

    特に ITPASS サーバは 1 台での運用なので, 自身からのアクセスのみ許可する.

    • /etc/hosts.deny の編集

      まず, 全てのホストからの gate ポートへのアクセスを拒否するよう /etc/hosts.deny に以下の一行を追加する.

      gate-daily: ALL
    • /etc/hosts.allow の編集

      登録サーバ自身 (new) からのアクセスは許可するよう, /etc/hosts.allow に以下の一行を追加する.

      gate-daily: 127.0.0.1

登録サーバ意外のホストからのアクセスが拒否されるか確認する.

# tcpdmatch gate-daily google.com    # google.com で試した場合 

access: denied と表示されれば O.K.

次に, 登録サーバ自身からのアクセスは許可されているか確認する.

# tcpdmatch gate-daily localhost

access: granted と表示されれば O.K.

  • inetd を再起動

    # /etc/init.d/openbsd-inetd restart
    Restarting internet superserver: inetd.
  • 確認

    CGI から適当なユーザの申請および認証を行う. 認証して数分後に /etc 以下のシステムファイル(passwd ファイルと shadow ファイル)が更新されていることを確かめる.

gate-toroku-system ソースの移動

ソースの名前を変更し, バックアップとして残す.

doc ディレクトリのシンボリックリンクを作成

/usr/local/gate/ にある doc ディレクトリのシンボリックリンクを /home/gate/public.html/ に作成する.

#cd /home/gate/public.html/
#ln -s /usr/local/gate/doc 

# ls -l
合計 104
lrwxrwxrwx 1 root root   19 2009-10-13 19:28 doc -> /usr/local/gate/doc

以下の作業は, ezmlm のインストール後に行う.

ezmlm を使う場合の設定

gate-db-to-ezmlm の設定

/usr/local/gate/bin/gate-db-to-ezmlm の

「0. 実行ファイル, ドメインの指定」の項目を以下のように変更する.

変更前

 $domainname='gfd-dennou.org';

 $ezmlmlist='/usr/bin/ezmlm-list';
 $ezmlmsub='/usr/bin/ezmlm-sub';
 $ezmlmunsub='/usr/bin/ezmlm-unsub';

変更後

 $domainname='itpass.scitec.kobe-u.ac.jp';

 $ezmlmlist='/usr/local/ezmlm/bin/ezmlm-list';
 $ezmlmsub='/usr/local/ezmlm/bin/ezmlm-sub';
 $ezmlmunsub='/usr/local/ezmlm/bin/ezmlm-unsub';

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Last modified:2010/09/10 16:27:49
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References:[[ITPASS2009]2009年度サーバ構築ログ]