数値計算実習その2 図表

課題2の図、表、考察

大西響子


  1. ・表1
      0.5 1.0 2.0 4.0 8.0 16.0 25.0 32.0 64.0
    1.1 × × × × × × × × ×
    1.3 × × × × × × ×
    1.5 × × × × ×
    1.873 × × ×
    2.0 × × ×
    3.0 ×

    実習中にシミュレートした値のうち、16と32の間に25を加えてもう一度やってみました。土星の初期位置(1.873,0)のときの軌道のリンクを貼っています。
    また、そのときの太陽と木星の軌道だけをプロットしたものはここです。


    ・表2
    factor:32
    2.1
    2.3
    2.5
    2.7

     factorを32で固定して、0.2刻みで動かしました。ボタンをクリックすると軌道の図が見れます。
    なお、不安定なものは拡大図もあります。

  2. 考察

    実習で作った表に加えてfactor25のシミュレートをやってみた。
    結果は表1に書いたとおりで、軌道の安定、不安定を分かつ境界が表から読み取れる。
    これより、 ということが言える。
     惑星系の軌道の安定性には少なくとも以上の2つのパラメータがあるが、 ここからは惑星の位置が軌道の安定性に及ぼす影響について考察する。 表1のfactor32のときに注目すると、(2,0)から(3,0)に土星の初期位置を動かしたときに軌道が安定に変わっていることが分かる。
     そこで、factor32に固定して土星の初期位置を(2.1,0)から(2.7,0)まで0.2刻みに動かしたものを調べた。(表2)
    このように見ると、2.3と2.5の間に安定、不安定の境界があることが分かる。
    さらに(2.4,0)に設定すると不安定な軌道を描き、 (2.45,0)に設定すると安定な軌道を描いた。 この2つは(2.3,0)のとき、(2.5,0)のときの軌道とほとんど変化がなかったので省略する。
     ここで、初期位置が恒星に近いときほど軌道が不安定であることについて考える。 万有引力は距離の2乗に反比例するので、土星の初期位置が恒星に近いほど、土星と恒星の間に働く引力は大きいということが言える。
     木星は太陽と土星の間にあるが、不安定である軌道のときを見ると(太陽、木星)と土星の2組に分かれて運動していることが見て取れるので、ここでは土星と(太陽、木星)の二体の運動と近似して考えてみる。すると、土星の初期位置が重い2体に近いときは、土星は2体に取り込まれるもしくは初速度があれば加速しながら中心に近づいていくと予想できる。
     しかし軌道からは、土星の初期位置が2体に近いときに、太陽と木星が土星をはじき飛ばし、自らもその反動で反対側に少し動いていることが分かる。 もう少し詳しく見ると、初期位置(2.1,0)の拡大図では、3体の系がある程度の期間存在した後、土星が回転しながら2体から離れて行っていることが分かる。 また初期位置(2.3,0)の拡大図では、太陽と木星の系が二体で回転しながら土星と反対方向に飛んで行っていることが分かる。土星はいつどの点にいるか解析できないが、長期的には太陽、木星の2体から離れて行っていることが分かる。
     これらが予想と異なった動きをしているのは、 などが原因として挙げられるが、具体的なことに関してはよく分からない。
     また、初期位置が(2.1,0)の場合と(2.3,0)の場合とで土星や他2体の飛んでいく向きが逆になっていることに気づく。試しに最初に受ける引力がどの程度変わるか目の子で計算してみると、初期位置(2.3,0)から(2.1,0)にすると受ける力が約1.2倍になることが分かる。しかし、このことが惑星の飛んでいく向きに大きく影響を及ぼすのかはよく分からない。

前ページへ