数値計算実習課題その2

3体問題における初期条件による軌道の変化
考察

ページトップへ
ITPASS 実習レポート2 indexページへ

3体問題における初期条件による軌道の変化

授業中に初期条件として考えた条件は

  • factor = 0.5, 1.0, 2.0, 4.0, 8.0, 16.0, 32.0, 64.0
  • xp(3) = 1.1, 1.3, 1.5, 太陽系での値, 2.0, 3.0
  • であった。今回のレポートではxp(3)=5.0を加えて再度考察を行った。以下がその結果である。なお○は、中心星の周りを2惑星が楕円軌道をしていて軌道が安定している場合、×は外側の惑星が中心星に束縛されず楕円軌道を外れる場合(不安定)、△は安定か不安定か判断できない場合を示している。



    次に、3つのパターンで見られる特徴的な軌道を以下に示す。

  • ◯:楕円軌道をするパターン(xp=2.0 factor=1.0)

    中心星の周りを2つの惑星が楕円軌道している。このパターンでも、外側の惑星の軌道にやや幅があるパターンも存在した。



  • ×:外側の惑星が中心星に束縛されず楕円軌道を外れるパターン(xp=1.3 factor=32.0)

    外側の惑星が中心星の引力にとらわれず遠方に遠のいている。また、中心星の周りを拡大すると螺旋模様を見て取ることができた。



  • △:軌道が安定または不安定かを判断できないパターン(xp=1.3 factor=2.0)

    大方、外側の惑星も中心星のまわりを楕円軌道しているようにも見えるが、一部大きく楕円軌道を外れる場合があるパターンを示している。



  • 上の図から、軌道が安定または不安定となる境界が存在することが分かる。その考察は、次のセクションでを行う。

    ページトップへ
    ITPASS 実習レポート2 indexページへ

    考察

    xp3が大きいほど、またfactorが小さいほど3体問題における惑星の軌道は、楕円軌道となり安定となる。これは、xp3が大きいことは外側の惑星が内側の惑星や中心星に与える影響が少なくなることを意味することと一致する。また逆に言えば、相対的に内側の惑星や中心星が外側の軌道を束縛しないとも言える。一方でfactorが小さいことは、中心星に対して外側の惑星の質量が小さいことを意味し、これもまた外側の惑星が内側の惑星や中心星に与える影響が少なくなることを意味する。

    ところで軌道が不安定であるかどうかについてだが、その原因が初期条件からくるものなのか、数値計算の誤差からくるものなのかもう少し考察が必要なような気がする。3体問題における数値計算の精度について 自作のソフトウエアを通して「エクストラ課題:惑星運動でみる数値計算の精度」にてもう少し考えてみたいと思う。



    ページトップへ
    ITPASS 実習レポート2 indexページへ
    ITPASS 実習レポート2 indexページへ