SPMODEL ライブラリ（spml）を動作させるのに必要なライブラリのインストール

２.SPMODEL ライブラリ（spml）を動作させるのに必要なライブラリのインストール

ISPACK、NetCDF、gt4f90io

インストール前に -ファイルのダウンロード及び解凍-

上のライブラリをインストールする前に、インストール先のディレクトリを作成しておく。
私の場合は、自分のホームディレクトリ（「/home/ahnhs/」に該当する）の下にライブラリのインストール先ディレクトリとして lib を作成し、その中へライブラリをインストールするようにした（つまり、ライブラリのインストール先ディレクトリは、「/home/ahnhs/lib/」となる）。
次に、適当なディレクトリ（私の場合、自分のホームディレクトリ「/home/ahnhs/」）に移動する。移動したところで以下のコマンドを実行し、各ライブラリをダウンロード、解凍（展開）する。
解凍し生成されるファイル（または、ディレクトリ）は、「/home/ahnhs/」の以下に保存される。

$ wget http://www.gfd-dennou.org/library/ispack/ispack.tar.gz ←ispackのダウンロード
$ tar zxvf ispack.tar.gz ←ispackの解凍

$ wget http://www.gfd-dennou.org/library/netcdf/unidata-mirror/netcdf-3.6.2.tar.gz ←netCDFのダウンロード
$ tar zxvf netcdf-3.6.2.tar.gz ←netCDFの解凍

$ wget http://www.gfd-dennou.org/library/gtool4/gt4f90io/gt4f90io_current.tgz ←gt4f90ioのダウンロード
$ tar zxvf gt4f90io_current.tgz ←gt4f90ioの解凍

P.S.
wgetコマンド行のところの、URLのハイパーリンクは、各ファイルを提供しているウェブページにリンクさせておいた。
圧縮ファイルの解凍の仕方はいろいろあるので、自分がすきなものを使ってよい。

I. ISPACKのインストール

ダウンロードしたispack.tar.gzを解凍すると、「/home/ahnhs/」の以下に、ディレクトリispack-0.71が作成される。

ディレクトリispack-0.71に移動する。
$ cd ispack-0.71
ispack-0.71の中の「README」にインストール方法が示してある。その手順に従って、 Mkincludeファイル内のマクロ定義を自分の環境に合わせて変更する。基本的に、以下のものを変更すればよい。

DIRS : ライブラリ化したいパッケージを列挙する。デフォルトでは全パッケージになっているが、もし全パッケージが必要ない場合には、必要なパッケージのみを書くこと。
DESTDIR : ライブラリを置くディレクトリ。
FC : 使用するFortranコンパイラ。
- どう変更すればよいのか？ -Mkincludeファイルを以下のように書き換える-
  $ vi Mkinclude
  
  DIRS：「-mpi」が付いているものを削除する。 ←詳しくはこちらを!!
  DESTDIR：「/home/ahnhs/lib」と指定する。
  FC：この課題ではG95 Fortranを用いるため、「g95」と指定する。
以下のコマンドでソースコードをコンパイルし、インストールを行う。
$ make ; make static

すると、

In file fepack.f:143

DD(I)=RD
　1
Error: Non-numeric character in statement label at (1)
In file fepack.f:143

DD(I)=RD
　　　1
Error: Unexpected STATEMENT FUNCTION statement at (1)

のようなエラーメッセージが表示される。
→「./fepack/src/fepack.f」の143行目に空白がなく、エラーが発生したと思われる。 Fortran77 では, プログラム本文の前に6つの空白が必要である。

カレントディレクトリ（ディレクトリispack-0.71）より「fepack/src」に移動し、その中にあるfepack.fというファイルの143行目をちゃんと6マス空け、書き直す。その後、ディレクトリispack-0.71に戻って、もう一度「make; make static」を行う。
「/home/ahnhs/lib/」の下にlibisp.aが生成されたらISPACKのインストール無事完了!!

II. NetCDFのインストール

ダウンロードしたnetcdf-3.6.2.tar.gzを解凍すると、「/home/ahnhs/」の以下に、ディレクトリnetcdf-3.6.2が作成される。
ディレクトリnetcdf-3.6.2に移動する。
$ cd netcdf-3.6.2
環境変数 FC に使用するコンパイラのコマンドを指定する。ここでは、g95 を利用するので、以下のように指定する。
$ FC=g95 ; export FC
以下のコマンドを実行し、インストールを行う。
$ ./configure --prefix=/home/ahnhs/lib
$ make check
$ make install
「/home/ahnhs/lib/lib」の以下にlibnetcdf.aとlibnetcdf.la、「/home/ahnhs/lib/bin/」の以下にncdumpとncgenが生成されたら、インストール完了!!
念のため、もう少し正確に言うと、インストール先ディレクトリ、つまり「/home/ahnhs/lib/」の以下に「lib」、「bin」、「include」というディレクトリが生成される。

III. gt4f90ioのインストール

ダウンロードしたgt4f90io_current.tgzを解凍すると、「/home/ahnhs/」の以下に、ディレクトリgt4f90io_20080729が作成される（頻繁にアップデートされ、アップデートの日付によって生成されるディレクトリ名が変わる）。
gt4f90ioをインストールし利用するためには、事前にNetCDFのインストールをしておかないとダメなので、インストールの順番に注意!!
ディレクトリgt4f90io_20080729に移動し、 Fortran コンパイラの指定及びConfig.mk の作成を以下のコマンドで行う。

$ FC=g95 ; exportFC
$ ./configure --with-netcdf=/home/ahnhs/lib/lib/libnetcdf.a --prefix=/home/ahnhs/lib

このとき、ディレクトリgt4f90io_20080729の中にConfig.mkが生成される。
ここで、「--with-netcdf=」には、netCDF ライブラリのパスを指定し、「--prefix=」には、実行ファイルのインストール先のディレクトリを指定する。
次に、カレントディレクトリにおいて、以下のコマンドを実行し、インストールする。

$ make install
- インストールが正常に完了しているかを確認するために、テストプログラムを以下のコマンドで実行してみる。
  
  $ make test-installed
  
  エラーが生じずに " *** Compilation and installation are succeeded !! *** " というメッセージが表示されればインストール完了!!
おまけ：インストールが完了すると、「/home/ahnhs/lib/lib」の以下にlibgt4f90io.a、「/home/ahnhs/lib/bin」の以下にgt4configとgt4frtが作成されるので、確認してみるとよい。

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