IT pass HikiWiki - [Memo2010][ITPASS] tako 構築作業ログ 10 (MAIL3) Diff

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10/10/20 に qpopper および ezmlm の設定を河合,坂本で行った.(ロガー: 坂本)

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[((<ITPASSサーバ構築ドキュメント>)) へ戻る]

= qpopper のインストールと設定


== インストール

  # make install

/user/local/src/qpopper4.0.18/Makefile の install の項目を読むと,
本来ならば (インストールディレクトリ )/share/man というディレクトリが作成されなければならない.
しかし, 事前にインストールディレクトリに share という名のディレクトリが作成されていないため, mkdir (インストールディレクトリ )/share/man が失敗し make install が途中で止まってしまった.
そのため,今回は無理やり share ディレクトリを作成し # make install を成功させた.

== inetd に登録

  # vi /etc/inetd.conf

以下の行を追加した.

  pop3    stream  tcp     nowait  root    /usr/local/qpopper/sbin/popper  popper -s

== 起動

次のコマンドによってinetdを再起動した.

  # /etc/init.d/openbsd-inetd restart

== インストールした実行ファイルへのパスの設定

インストールした qpopper の実行ファイル群へパスを通す. ((<[ITPASS2009]パスの設定>)) の ((* <一般ユーザ用コマンドのパス> *)) に ((*/usr/local/qpopper/sbin*)) を追加する.
(大抵, sbin はシステム用コマンドがインストールされる場所であるが, 一般ユーザが使用する pop_auth もインストールされているため, 一般ユーザ用コマンドのパスとして登録する).


== インストールしたマニュアルへのパスの設定

/etc/manpath.config に以下の行を追加する. 詳しくは ((<[ITPASS2009]パスの設定>)) を参照のこと.
以下のスクリプトに間違いがあったため, 修正した.

修正前
  MANDATORY_MANPATH                           /usr/local/qpopper/man
  MANPATH_MAP        /usr/local/qpopper/sbin  /usr/local/qpopper/man
  MANDB_MAP          /usr/local/qpopper/man   /usr/local/qpopper/man
修正後
  MANDATORY_MANPATH                           /usr/local/qpopper/share/man
  MANPATH_MAP        /usr/local/qpopper/sbin  /usr/local/qpopper/share/man
  MANDB_MAP          /usr/local/qpopper/share/man   /usr/local/qpopper/share/man

== 動作チェック

まず APOP で使用するパスワードを設定した.
ここではユーザを chikuwa0 とした. ここで入力するパスワードはログインパスワードと異なっていてもよい.

  > popauth
  Changing only APOP password for chikuwa0.
  New password: (パスワードを入力)
  Retype new password: (パスワードを入力)

次にメールを chikuwa0 宛に送る.

  > sudo -s
  # mail chikuwa0
  Subject: test
  aaaaa (CTRL+D)
  Cc:

メールがメールスプールにあるかどうかをチェック.

  # ls -l /home/chikuwa0/Mailbox
  -rw------- 1 chikuwa0 chikuwa0 440 Oct 14 20:08 Mailbox


届いているので,
これを別の適当なホストで ITPASS サーバからメールを APOP で受け取れるように設定した.


== 参考文献

* ((<[ITPASS2009]qpopperのインストールと設定>))
* ((<Qpopper|URL:http://www.emaillab.org/djb/qmail-pop/qpopper.html>))

= ezmlmのインストールと設定

サーバ上でメーリングリストを管理できるようにするため,
メーリングリスト管理ソフトとして ezmlm を導入する.

== ezmlm のインストール

=== ezmlm とパッチダウンロードと展開

取得元や最新バージョンについては
((<ezmlm オリジナル|URL:http://cr.yp.to/ezmlm.html>)) を参照のこと.

  # cd /usr/local/src
  # wget http://cr.yp.to/software/ezmlm-0.53.tar.gz
  # tar xfvz ezmlm-0.53.tar.gz

=== ezmlm のパッチあてとビルド

まず, 2.3.1 以降の glibc 上で動くため, というのと log.h を使用するよう, パッチを当てる. パッチは ((<ezmlm パッチ|URL:../server/ezmlm_2009/ezmlm-glib-log.patch>)) から入手した. パッチは /usr/local/src 以下に置く.

  # wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/ezmlm_2009/ezmlm-glib-log.patch
  # cd ezmlm-0.53/
  # patch  < ../ezmlm-glib-log.patch

バイナリファイルのインストール先はこれまでのやり方にあわせ, /usr/local/ezmlm/bin 以下としたいので, conf-bin を以下のように書き換えた.

  # vi conf-bin

  /usr/local/ezmlm/bin

man のインストール先も以下のように変更した.

  # vi conf-man

  /usr/local/ezmlm/man

これらのインストール先ディレクトリである
/usr/local/ezmlm は先に作っておく必要があるので手動で作成した.

  # mkdir /usr/local/ezmlm

conf-qmail に記述されているディレクトリが ((<[ITPASS2009]qmailのインストールと設定#qmail のインストールと設定#qmail のソースの取得とコンパイル>)) で qmail がインストールされているディレクトリと一致していることを確認する.

  # cat conf-qmail
  /var/qmail

  # ls /var/qmail
  alias/  bin/  boot/  control/  doc/  man/  queue/  rc*  users/

確認した後, make でバイナリを, make man でマニュアルをビルドし,
make setup でインストールした.

  # make
  # make man
  # make setup

== ezmlm の実行ファイルへのパスの設定

インストールした ezmlm の実行ファイル群へパスを通す.

((<[ITPASS2009]パスの設定>)) の((* <一般ユーザ用コマンドのパス> *)) に ((*/usr/local/ezmlm/bin*)) を追加した.

== ezmlm のマニュアルへのパスの設定

/etc/manpath.config に以下の行を追加した. 詳しくは ((<[ITPASS2009]パスの設定>)) を参照のこと.

  MANDATORY_MANPATH                        /usr/local/ezmlm/man
  MANPATH_MAP        /usr/local/ezmlm/bin  /usr/local/ezmlm/man
  MANDB_MAP          /usr/local/ezmlm/man  /usr/local/ezmlm/man

== ezmlm のテスト

メーリングリスト (ML) を作成する.
詳細は ezmlm-make の man (日本語訳) 参照.
ここでは, chikuwa0 ユーザで, chikuwa0-testlist というメーリングリストを作成した.

  $ mkdir ~chikuwa0/ezmlm-test
  $ ezmlm-make ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist ~/.qmail-testlist chikuwa0-testlist tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

このコマンドにより, ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist が作成される.

次に作成した ML に ML 主催者が手動で講読者を追加する.
詳細は ezmlm-sub の man (日本語訳) 参照.

注意: 以降, アドレスの '_at_' は '@' に読み替えること.

  $ ezmlm-sub ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist chikuwa0_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

登録されているアドレスは,

  $ ezmlm-list ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist

で一覧される. 詳細は ezmlm-list の man (日本語訳) を参照すること.

登録が終了した後 ML へ投稿し, 先程登録したアドレスへ届くか確かめた.

  $ echo Subject:Ezmlm_Test | qmail-inject chikuwa0-testlist_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

  $ lv ~chikuwa0/Mailbox

次に ML の自動処理コマンドを確かめる. 自動処理コマンドの詳細は ((<URL:http://matsuandes.hp.infoseek.co.jp/ezmlm1.htm>)) 等を見よ. 始めに投稿アーカイブから記事を取り出すコマンドを試し, 記事が送られてくるかを確認する.

itpass ドメインの MX が張られていない場合は /var/qmail/control/defaulthost をホスト名までいれたドメイン (フルドメイン) にする必要がある.

  $ qmail-inject chikuwa0-testlist-get.1_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp < /dev/null

次に ML 参加者による自動登録抹消を試す. 確認メールが送られてきたので Mailbox を確認して, 送られてきたメールの指示に従い登録抹消した.

itpass ドメインの MX が張られていない場合 /var/qmail/control/defaulthost をホスト名までいれたドメイン (フルドメイン) にする必要がある.

  $ qmail-inject chikuwa0-testlist-unsubscribe_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp < /dev/null

登録を抹消できたかどうか確認するため, ML 登録アドレス一覧を見る.

  $ ezmlm-list ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist


== ezmlm-idx のインストール

ezmlm に idx パッチを当てることで, メッセージをまとめて読むのに便利なダイジェスト機能の利用や, Subject の加工ができるようになる.

=== ezmlm-idx のダウンロード

バージョン 0.40 の ezmlm-idx をダウンロードする. 最新版として既に 7.0.2 まで出ているらしいが( ((<URL:http://www.ezmlm.org/archive/>)) 参照 ), Web にインストールドキュメントがあまり出回っていないため, ここでは 0.40 を使った.

  # cd /usr/local/src
  # wget http://www.ezmlm.org/archive/0.40/ezmlm-idx-0.40.tar.gz

=== ezmlm のソースコードへのパッチあて

以下の ezmlm-0.53 は ((<ezmlm のパッチあてとビルド|[ITPASS2009]ezmlmのインストールと設定#ezmlm のパッチあてとビルド>)) で使用されたディレクトリである.
特に conf-bin や conf-man などが変更されているため, 既に ezmlm-0.53 を削除してしまっている場合は上記のビルド前の設定を行うこと.

  # tar xfvz ezmlm-idx-0.40.tar.gz
  # cp -r ezmlm-0.53 ezmlm-0.53-patched_by_idx
  # mv ezmlm-idx-0.40/* ezmlm-0.53-patched_by_idx/
  # rmdir ezmlm-idx-0.40
  # cd ezmlm-0.53-patched_by_idx/
  # patch < idx.patch

crontab のありかを調べる.

  $ which crontab
  /usr/bin/crontab

/usr/bin にあれば先へ進む. 違う場所にある場合は conf-cron にありかを書き込む.

MySQL (解説は ((<URL:http://www.mysql.com/>)) を使うか否かを決定.  ここでは使わないこととして先に進んだ. 使う場合にはこの段階でやるべき作業がある.

続いて, 以下の作業を行った.

  $ make clean
  $ make; make man
  $ make jp

最後の行は使用言語を選ぶものである. jp は日本語を意味する.  これによっ
て自動管理要請に ezmlm が応えてユーザに送る文言 (詳細) が日本語になる.


=== インストール前の ezmlm-idx の動作テスト

一時的にユーザ eztest を作成し (テスト後すぐ削除する), ezmlm-idx のコ
マンドバイナリ群が実行できるか確かめた (ezmlm-test コマンド).
また, ezmlm-test を実行する前に ezmlm-idx のコマンドバイナリ群にパスが通っているかどうかを確認した.

  # chmod 755 ezmlm-test
  # adduser --uid 50000 eztest
  # su eztest

ここで su eztest と行ったが, sudo コマンドを用いる場合はデフォルトでは
環境変数 $HOME がログインしたユーザとなったままとなり正しく実行されな
いので -H オプションをつけて実行する.

  $ ./ezmlm-test

    testing ezmlm-idx:    ezmlm-idx-0.40
    Using FQDN host name: tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
    ezmlm-make (1/2):     OK
    Using RDBMS support:  No.
    testing for qmail:    >=1.02
    ezmlm-reject:         OK
    ezmlm-[un|is]sub[n]:  OK
    ezmlm-send (1/2):     OK
    ezmlm-tstdig:         OK
    ezmlm-weed:           OK
    ezmlm-make (2/2):     OK
    ezmlm-clean (1/2):    removed mod queue entry 3 that wasn't due

上記のように正常に実行されることが確認できたので, exit した.

  $ exit

=== ezmlm-idx のリビルド

MySQL を使わない場合は以下を実行する (使う場合には異なる作業が要る).
#今回はので MySQL を使わない以下を実行した.

  # make std
  # make

以下を実行して ezmlm-idx のコマンドバイナリを /usr/local/ezmlm/bin 以
下にコピーする.

  # make setup

=== インストール後の ezmlm-idx の動作テスト

インストールされた ezmlm-test を実行し, /usr/local/ezmlm/bin/ 以下のコマンドバイナリ群にパスが通っているか確認した.

  # su eztest
  $ source /etc/profile  # bash の場合
  $ echo $PATH
    .... /usr/local/ezmlm/bin   # <- ここにパスが通っていることを確認
  $ cd /usr/local/src/ezmlm-0.53-patched_by_idx
  $ ./ezmlm-test

    testing ezmlm-idx:    ezmlm-idx-0.40
    Using FQDN host name: tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
    ezmlm-make (1/2):     OK
    Using RDBMS support:  No.
    testing for qmail:    >=1.02
    ezmlm-reject:         OK
    ezmlm-[un|is]sub[n]:  OK
    ezmlm-send (1/2):     OK
    ezmlm-tstdig:         OK
    ezmlm-weed:           OK
    ezmlm-make (2/2):     OK
    ezmlm-clean (1/2):    removed mod queue entry 3 that wasn't due

  $ exit
  # userdel -r eztest


== prefix.pl の設置

cps 関連のメーリングリストに流れたメールの件名に番号を振るため,
prefix.pl を /usr/local/lib/prefix.pl に置く.
root 所有のため, パーミッションは 755 のままにした.

# cp /home/itpass/ftp/server/ml_prefix/prefix.pl /usr/local/lib/prefix.pl
# chown root:root /usr/local/lib/prefix.pl
# chmod 755 /usr/local/lib/prefix.pl


== ezmlm の自動送信メールのヘッダの設定修正

ezmlm-idx バージョン 0.40 による日本語化だけでは, 自動送信メールのヘッダの Content-type の charset が us-ascii に指定されてしまうため,
メーラーによっては日本語が文字化けして表示される.
これを解決するため, /usr/local/ezmlm/bin/ezmlmrc の末尾に

</charset/>
iso-2022-jp

を追加した.

こうすることで, ezmlm-make コマンドで新しくメーリングリストが作成された際に, 自動送信メールのヘッダの文字コードが iso-2022-jp であると宣言するように設定される. これは ezmlm-idx によってインストールされた日本語版の自動送信メールのテンプレートと同じ文字コードである.

  # cd /usr/local/ezmlm/bin
  # cp ezmlmrc ezmlmrc.org
  # echo \</charset/\> >> ezmlmrc
  # echo iso-2022-jp >> ezmlmrc


== 自動送信メールの日本語化のテスト

  $ mkdir ~chikuwa0/ezmlm-test
  $ ezmlm-make ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist ~/.qmail-testlist chikuwa0-testlist tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

testlist ディレクトリ内に charset というファイルが作成されており,

  iso-2022-jp

と記述されていることを確認した.

  $ ezmlm-sub ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist chikuwa0_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

適当なメーラーからchikuwa0-testlist-help_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp 宛にメールを送り, 日本語のヘルプメッセージが文字化けすることなく表示されることを確認した.

== エラーメールの転送設定

登録されたメールアドレスが正しくない場合, 配信先のサーバからメーリングリスト宛てにエラーメールが返送される. しかしデフォルトではエラーメールを破棄するよう設定されており, 運営上良くない. 以下では, エラーメールが管理者グループに届くよう再設定する.

先に作成したメーリングリストの,
/home/chikuwa0/ezmlm-test/testlist/bouncer
を次のように変更した.

((<システムのメールアドレスの転送先を設定する|URL:https://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/hiki/hiki.cgi?%5BITPASS2009%5Dqmail%A4%CE%A5%A4%A5%F3%A5%B9%A5%C8%A1%BC%A5%EB%A4%C8%C0%DF%C4%EA#A5-B7-A5-B9-A5-C6-A5-E0-A4-CE-A5-E1-A1-BC-A5-EB-A5-A2-A5-C9-A5-EC-A5-B9-A4-CE-C5-BE-C1-F7-C0-E8-A4-F2-C0-DF-C4-EA-A4-B9-A4-EB.>))において, itpass サーバの管理者グループのアドレスを
itpadmin_at_itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
としている場合, そのアドレスを,

vim /home/chikuwa0/ezmlm-test/testlist/bouncer

   &itpadmin_at_itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
   |/usr/local/ezmlm/bin/ezmlm-weed
   |/usr/local/ezmlm/bin/ezmlm-return -D '/home/chikuwa0/ezmlm-test/testlist'
  
と一行目に記入する. ただし, _at_ はアットマークである.

設定後, テストを行う. ezmlm-sub を用いて, chikuwa0 のメーリングリストに

$ ezmlm-sub ~chikuwa0/ezmlm-test/testlist 1234567890@stu.kobe-u.ac.jp

のように存在しないアドレスを登録したうえで, 適当なメーラーから chikuwa0-testlist_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp 宛てにメールを送り, 管理者にフォワードされていることを確認した.

== 参考文献

* ((<[ITPASS2009]ezmlmのインストールと設定>))
* ((<実用qmailサーバ運用・管理術|URL:http://www.atmarkit.co.jp/flinux/index/indexfiles/index-linux.html#qmail>)) (@IT)
  * ((<第 4 回 メーリングリストの構築と運用 (前編)|URL:http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/qmail04/qmail04a.html>))
  * ((<第 5 回 メーリングリストの構築と運用 (後編)|URL:http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/qmail05/qmail05a.html>))
* ((<ezmlm-idx|URL:http://homepage3.nifty.com/Q81/doc/ezmlm-idx.html>))