IT pass HikiWiki - [ITPASS2016]qmail のインストールと設定 Diff
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= qmail のインストールと設定
qmail 1.03 のインストールと設定を行う. qmail は開発元が開発を放棄しているため、適宜パッチを当てる必要がある.
== ソース・パッチの取得
ディレクトリを作成する.
# mkdir /var/qmail
ユーザ・グループを追加する. qmail は専用のアカウントとグループを作成してその権限で起動する.
# groupadd -g 200 nofiles
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail/alias alias
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmaild
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmaill
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmailp
# groupadd -g 201 qmail
# adduser --system --ingroup qmail --home /var/qmail qmailq
# adduser --system --ingroup qmail --home /var/qmail qmailr
# adduser --system --ingroup qmail --home /var/qmail qmails
このときに, 以下のようなレスポンスが返ってくるが問題ない.
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmaild
警告: 指定されたホームディレクトリ /var/qmail はすでに存在しています。
システムユーザ `qmaild' (UID 119) を追加しています...
新しいユーザ `qmaild' (UID 119) をグループ `nofiles' に追加しています...
ホームディレクトリ `/var/qmail' はすでに存在します。`/etc/skel' からのコピーを行いません。
adduser: 警告: ホームディレクトリ `/var/qmail' は、現在作成中のユーザの所属になっていません。
ソース, glib 2.3.1 以降用のパッチの取得と展開を行う.
patch の当て方については詳しくは ((<[TEBIKI]patch コマンド>)) を参照のこと.
# cd /usr/local/src
# wget http://qmail.teraren.com/qmail-1.03.tar.gz
# tar xvfz qmail-1.03.tar.gz
# wget http://web.archive.org/web/20071018035729/http://www.stackasterisk.jp/tech/systemConstruction/qmail01/qmail-glibc.patch
# wget -U test http://www.ksknet.net/sample/qmail-date-localtime.patch
qmail-localに対するパッチ を用意する. これは((<qmail-local.patch|URL:../server/2016/qmail/qmail-local.patch>)) から入手できる. これを cp し, パーミッションを設定する.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/2015/qmail/qmail-local.patch
存在しないユーザ宛のメールを受け取らないようにするパッチ((<qmail-realrcptto|URL:http://code.dogmap.org./qmail/#qmail-realrcptto>)) を取得する.
# wget http://code.dogmap.org./qmail/qmail-1.03-realrcptto-2006.12.10.patch
DNS サーバーからのレスポンスが 512 バイトを超える場合にも正しく取り扱えるようにするためにパッチを取得する.
# wget http://www.ckdhr.com/ckd/qmail-103.patch
== パッチの適用とコンパイル
展開したディレクトリに移動した後, 上で取得したパッチを当てビルドする.ビルドとチェックを行い, エラーが出ないことを確認する.
# cd qmail-1.03
# patch < ../qmail-glibc.patch
# patch -p1 < ../qmail-date-localtime.patch
# patch -p1 < ../qmail-1.03-realrcptto-2006.12.10.patch
# patch < ../qmail-local.patch
# patch < ../qmail-103.patch
# # /etc/init.d/qmail stop
# # /etc/init.d/tcpserver stop
# make
# make man
# make setup
# make check
# patch < ../qmail-glibc.patch
#/etc/init.d/qmail stop と /etc/init.d/tcpserver stop の行についてエラーが出たが問題はない.
# bash: /etc/init.d/qmail: そのようなファイルやディレクトリはありません
#
# bash: /etc/init.d/tcpserver: そのようなファイルやディレクトリはありません
== 設定
./config のスクリプトは, DNS を使って下に示す制御ファイルに情報を書くものであるが実行できないため, 下のそれぞれの内容を手動でファイルに書く.
*ファイル: /var/qmail/control/defaultdomain/var/qmail/control/defaultdomain に下の内容を書く
書き込み内容
scitec.kobe-u.ac.jp
*ファイル: /var/qmail/control/locals/var/qmail/control/locals に下の内容を書く
書き込み内容
localhost
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
epa.scitec.kobe-u.ac.jp
aoe.scitec.kobe-u.ac.jp
*ファイル: /var/qmail/control/me/var/qmail/control/me に下の内容を書く
書き込み内容
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
*ファイル: /var/qmail/control/plusdomain/var/qmail/control/plusdomain に下の内容を書く
書き込み内容
ac.jp
*ファイル: /var/qmail/control/rcpthosts/var/qmail/control/rcpthosts に下の内容を書く
書き込み内容
localhost
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
epa.scitec.kobe-u.ac.jp
aoe.scitec.kobe-u.ac.jp
*ファイル: /var/qmail/control/databytes/var/qmail/control/databytes に下の内容を書く
書き込み内容
100000000
* 補足
* メールの容量制限をする. 以下のように設定することで, 100MB 以上のサイズのメールは拒否される.
* ファイル: /var/qmail/control/defaulthost
書き込み内容* /var/qmail/control/defaulthost に下の内容を書く
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
*パーミッションパーミッションの変更
# chmod 644 /var/qmail/control/databytes
# chmod 644 /var/qmail/control/defaulthost
*確認作業確認
それぞれのファイルに書き込み終了後には, 正しく上の情報が書かれていることをcat(1) で確認する. 例:
# cat /var/qmail/control/me
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
これらの情報を qmail-showctl(8) で確認する.
# /var/qmail/bin/qmail-showctl
== システムのメールアドレスの転送先設定
root 宛のメールをフォワードする先に itpadmin を指定する.
なお, "_at_" は "@" に読み替える.
# cd /var/qmail/alias
# echo '&itpadmin_at_itpass.scitec.kobe-u.ac.jp' > .qmail-root
# echo '&root' > .qmail-postmaster
# echo '&root' > .qmail-mailer-daemon
# echo '&root' > .qmail-bin
# echo '&root' > .qmail-daemon
# echo '&root' > .qmail-games
# echo '&root' > .qmail-ingres
# echo '&root' > .qmail-nobody
# echo '&root' > .qmail-sys
# echo '&root' > .qmail-uucp
# echo '&root' > .qmail-mail
# echo '&root' > .qmail-anonymous
# echo '&root' > .qmail-www-data
# chmod 644 .qmail-*
== インストールした実行ファイルへのパスの設定
インストールした qmail の実行ファイル群へパスを通す.
((<[ITPASS2015]パスの設定>)) の((* <一般ユーザ用コマンドのパス> *)) に ((*/var/qmail/bin*)) を追加する.
(システム用コマンドも一般ユーザ用コマンドと同じ場所にインストールされているため, システム用コマンド用の設定を別途行う必要は無い).
== インストールしたマニュアルへのパスの設定
/etc/manpath.config に以下の行を追加する.
詳しくは ((<[ITPASS2015]パスの設定>)) を参照のこと.
MANDATORY_MANPATH /var/qmail/man
MANPATH_MAP /var/qmail/bin /var/qmail/man
MANDB_MAP /var/qmail/man /var/qmail/man
== メールの配送先設定
/etc/profileに以下を追記する.
MAIL="$HOME/Mailbox"
MAILDROP="$HOME/Mailbox"
export MAIL MAILDROP
/etc/csh.cshrcに以下を追記する.
setenv MAIL $HOME/Mailbox
setenv MAILDROP $HOME/Mailbox
== 起動
# cp /var/qmail/boot/home /var/qmail/rc
((<URL:http://opensource.sf-tec.de/qmail/qmail-send.service>))を参考にして qmail.service を作成する.
# vi /etc/systemd/system/qmail.service
[Unit]
Description=Qmail mail delivery daemons
After=network.target
[Service]
ExecStart=/var/qmail/bin/qmail-start ./Mailbox splogger qmail
Environment=PATH=/var/qmail/bin:${PATH}
Restart=always
[Install]
WantedBy=multi-user.target
qmail を起動し, きちんと起動したことを確認する.
# systemctl start qmail.service
# systemctl
ブート時に自動的に起動させるため, 追加設定を行う
# systemctl enable qmail.service
再起動を行い, 自動的に起動することを確認する.
== 配送テスト
((<qmail-1.03: 配送テスト|URL:http://man.qmail.jp/jinstall/test.deliver.html>))
に従い, 配送テスト (ローカル配送, リモート送り出しテスト) を行う.
=== [テスト 1] ローカル配送テスト part1
~chikuwa/Mailbox が生成されているか確認し, 生成されていない場合は, Mailbox が生成されるように .qmail を作成し, 以下のように書き込む.
$ vi .qmail
/home/chikuwa/Mailbox
配送テストを行う. 自分に送ってみる. 以下のコマンドを実行する.
~chikuwa/Mailbox にメールが送られることを確認する.
$ echo to: chikuwa | /var/qmail/bin/qmail-inject
=== [テスト 2] ローカル配送テスト part2
存在しない宛先に送ってみる. バウンスメールが ~chikuwa/Mailbox に送られてく
ることを確認する.
$ echo to: nonexistent | /var/qmail/bin/qmail-inject
ここで, ヘッダのタイムゾーンが -0000ではなくて+0900になっていることを確認する. そうなっていないときには, qmail-date-localtime.patchが正しく当たっていない可能性がある.
配送後, ログを確認すると, triple bounce となっておりバウンスメールが返って来ないが, 問題無いものとして先に進める.
=== [テスト 3] リモート送り出しテスト part1
他のホスト上のアカウントへ送って, 届いていることを確認する. 届かなければ,
/var/log/syslog を参照して原因を追求する.
$ echo to: hoge_at_gfd-dennou.org | /var/qmail/bin/qmail-inject
作業ログにおける注意: スパム対策のため, 実在のアドレスをそのまま作業ログに記入しないこと. 書く必要がある場合は関係者が分かる範囲で書き換えること.
=== [テスト 4] リモート送り出しテスト part2
他のホスト上の存在しない宛先に送る.
-f オプションでバウンスの送り先を指定する.
$ echo to: hoge_at_gfd-dennou.org | /var/qmail/bin/qmail-inject -f chikuwa_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
chikuwa_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp にバウンスが来ていることを確認する.
== sendmail の「置き換え」
((<qmail 1.03: sendmailをqmailへ置き換える|URL:http://man.qmail.jp/jinstall/install3.html>)),
および
((<qmail 1.03: sendmailをシステムから削除する方法
|URL:http://man.qmail.jp/jinstall/remove.sendmail.html >))
に従う.
ただし, sendmail ではなく, exim がインストールされている場合は, exim
を無効にする.
まず, exim4 が起動している場合は停止.
# /etc/init.d/exim4 stop
exim のブートスクリプトは, /etc/init.d/exim4 で, これに
/etc/rc[2-5].d/S20exim, /etc/rc{1,6}.d/K20exim からリンクが張られてい
る. これを無効にする.
# chmod 000 /etc/init.d/exim4
# mv /etc/init.d/exim4 /etc/init.d/exim4.bak
# update-rc.d exim4 remove
cron から exim が呼び出される処理を無効にする.
/etc/cron.daily/exim4-base の先頭の方に次の行を書き足す.
3 行目の [ と ! の間にはスペースがあることに注意. 詰めて書いてはいけない (man [(1)).
(「[」と「と」, 「と」と「!」の間にスペースを入れた)
#!/bin/sh
# by Yasuhiro MORIKAWA, 2007-08-10. We need not exim.
if [ ! -f /etc/exim.conf ]; then
exit 0
fi
これで, /etc/cron.daily/eximは, /etc/exim.confが存在しない場合には何も
せず終了するようになった.
そして, sendmailを置き換える.
# chmod 000 /usr/lib/sendmail
# chmod 000 /usr/sbin/sendmail
# mv /usr/lib/sendmail /usr/lib/sendmail.bak
# mv /usr/sbin/sendmail /usr/sbin/sendmail.bak
# ln -s /var/qmail/bin/sendmail /usr/lib/sendmail
# ln -s /var/qmail/bin/sendmail /usr/sbin/sendmail
次のコマンドで exim4 関係のパッケージを hold して, 更新されないようにする.
# echo exim4 hold | dpkg --set-selections
# echo exim4-base hold | dpkg --set-selections
# echo exim4-config hold | dpkg --set-selections
# echo exim4-daemon-light hold | dpkg --set-selections
Debian パッケージの枠組で cron と exim4 (MTA なら何でもよい) は依存関
係があるので, exim4 を消してしまうと cron が利用するメールサーバが
Debian パッケージの枠組内では存在しないと認識されてしまう. そのため,
exim4 を消さずにあえて残している.
== とりあえず用の smtp の設定
後で tcpserver をインストールするので, 最終的にこの設定は不要にな
る. とりあえず受信テストのために以下のように inetd を設定する.
/etc/inetd.conf に以下を追加する.
smtp stream tcp nowait qmaild /var/qmail/bin/tcp-env tcp-env /var/qmail/bin/qmail-smtpd
/etc/inetd.conf を読み直させるために次を実行する.
# /etc/init.d/openbsd-inetd restart
qmail の設定ファイルを作成する. chikuwa のアカウントの設定ファイル .qmail を作成し,
/home/ユーザ名/Mailbox
と書く.
以下のコマンドを実行する.
$ export MAIL=~/Mailbox
$ mail
他のホストのアドレスで chikuwa3_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp へメールを送信し, Maildir の中身を確認する.
参考:((<URL:http://man.qmail.jp/jinstall/test.receive.html>))
== 参考資料
* ((<[ITPASS2015] qmail のインストールと設定>))
* ((<"セカンダリメールサーバの構築 (北大 EPnetFaN)"|URL:http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epmail/y2011/dvlop/www.html>))
* ((<qmail netqmail における 512 バイトを超える DNS 応答の不適切な取り扱いについて|URL:http://jprs.jp/tech/notice/2011-03-03-inappropriate-handling-for-long-dns-packet.html>))
* ((<Life with qmail|URL:http://ya.maya.st/mail/lwq.html#dns-patches>))
* ((<qmail を DNSSEC に対応させるパッチの適用|URL:http://blog.netandfield.com/shar/2011/02/qmail-dnssec.html>))
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= qmail のインストールと設定
qmail 1.03 のインストールと設定を行う. qmail は開発元が開発を放棄しているため、適宜パッチを当てる必要がある.
== ソース・パッチの取得
ディレクトリを作成する.
# mkdir /var/qmail
ユーザ・グループを追加する. qmail は専用のアカウントとグループを作成してその権限で起動する.
# groupadd -g 200 nofiles
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail/alias alias
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmaild
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmaill
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmailp
# groupadd -g 201 qmail
# adduser --system --ingroup qmail --home /var/qmail qmailq
# adduser --system --ingroup qmail --home /var/qmail qmailr
# adduser --system --ingroup qmail --home /var/qmail qmails
このときに, 以下のようなレスポンスが返ってくるが問題ない.
# adduser --system --ingroup nofiles --home /var/qmail qmaild
警告: 指定されたホームディレクトリ /var/qmail はすでに存在しています。
システムユーザ `qmaild' (UID 119) を追加しています...
新しいユーザ `qmaild' (UID 119) をグループ `nofiles' に追加しています...
ホームディレクトリ `/var/qmail' はすでに存在します。`/etc/skel' からのコピーを行いません。
adduser: 警告: ホームディレクトリ `/var/qmail' は、現在作成中のユーザの所属になっていません。
ソース, glib 2.3.1 以降用のパッチの取得と展開を行う.
patch の当て方については詳しくは ((<[TEBIKI]patch コマンド>)) を参照のこと.
# cd /usr/local/src
# wget http://qmail.teraren.com/qmail-1.03.tar.gz
# tar xvfz qmail-1.03.tar.gz
# wget http://web.archive.org/web/20071018035729/http://www.stackasterisk.jp/tech/systemConstruction/qmail01/qmail-glibc.patch
# wget -U test http://www.ksknet.net/sample/qmail-date-localtime.patch
qmail-localに対するパッチ を用意する. これは((<qmail-local.patch|URL:../server/2016/qmail/qmail-local.patch>)) から入手できる. これを cp し, パーミッションを設定する.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/2015/qmail/qmail-local.patch
存在しないユーザ宛のメールを受け取らないようにするパッチ((<qmail-realrcptto|URL:http://code.dogmap.org./qmail/#qmail-realrcptto>)) を取得する.
# wget http://code.dogmap.org./qmail/qmail-1.03-realrcptto-2006.12.10.patch
DNS サーバーからのレスポンスが 512 バイトを超える場合にも正しく取り扱えるようにするためにパッチを取得する.
# wget http://www.ckdhr.com/ckd/qmail-103.patch
== パッチの適用とコンパイル
展開したディレクトリに移動した後, 上で取得したパッチを当てビルドする.ビルドとチェックを行い, エラーが出ないことを確認する.
# cd qmail-1.03
# patch < ../qmail-glibc.patch
# patch -p1 < ../qmail-date-localtime.patch
# patch -p1 < ../qmail-1.03-realrcptto-2006.12.10.patch
# patch < ../qmail-local.patch
# patch < ../qmail-103.patch
# # /etc/init.d/qmail stop
# # /etc/init.d/tcpserver stop
# make
# make man
# make setup
# make check
# patch < ../qmail-glibc.patch
#/etc/init.d/qmail stop と /etc/init.d/tcpserver stop の行についてエラーが出たが問題はない.
# bash: /etc/init.d/qmail: そのようなファイルやディレクトリはありません
#
# bash: /etc/init.d/tcpserver: そのようなファイルやディレクトリはありません
== 設定
./config のスクリプトは, DNS を使って下に示す制御ファイルに情報を書くものであるが実行できないため, 下のそれぞれの内容を手動でファイルに書く.
*
*
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
epa.scitec.kobe-u.ac.jp
aoe.scitec.kobe-u.ac.jp
*
*
*
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
epa.scitec.kobe-u.ac.jp
aoe.scitec.kobe-u.ac.jp
*
* 補足
* メールの容量制限をする. 以下のように設定することで, 100MB 以上のサイズのメールは拒否される.
* ファイル: /var/qmail/control/defaulthost
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
*
# chmod 644 /var/qmail/control/databytes
# chmod 644 /var/qmail/control/defaulthost
*
それぞれのファイルに書き込み終了後には, 正しく上の情報が書かれていることをcat(1) で確認する. 例:
# cat /var/qmail/control/me
tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
これらの情報を qmail-showctl(8) で確認する.
# /var/qmail/bin/qmail-showctl
== システムのメールアドレスの転送先設定
root 宛のメールをフォワードする先に itpadmin を指定する.
なお, "_at_" は "@" に読み替える.
# cd /var/qmail/alias
# echo '&itpadmin_at_itpass.scitec.kobe-u.ac.jp' > .qmail-root
# echo '&root' > .qmail-postmaster
# echo '&root' > .qmail-mailer-daemon
# echo '&root' > .qmail-bin
# echo '&root' > .qmail-daemon
# echo '&root' > .qmail-games
# echo '&root' > .qmail-ingres
# echo '&root' > .qmail-nobody
# echo '&root' > .qmail-sys
# echo '&root' > .qmail-uucp
# echo '&root' > .qmail-mail
# echo '&root' > .qmail-anonymous
# echo '&root' > .qmail-www-data
# chmod 644 .qmail-*
== インストールした実行ファイルへのパスの設定
インストールした qmail の実行ファイル群へパスを通す.
((<[ITPASS2015]パスの設定>)) の((* <一般ユーザ用コマンドのパス> *)) に ((*/var/qmail/bin*)) を追加する.
(システム用コマンドも一般ユーザ用コマンドと同じ場所にインストールされているため, システム用コマンド用の設定を別途行う必要は無い).
== インストールしたマニュアルへのパスの設定
/etc/manpath.config に以下の行を追加する.
詳しくは ((<[ITPASS2015]パスの設定>)) を参照のこと.
MANDATORY_MANPATH /var/qmail/man
MANPATH_MAP /var/qmail/bin /var/qmail/man
MANDB_MAP /var/qmail/man /var/qmail/man
== メールの配送先設定
/etc/profileに以下を追記する.
MAIL="$HOME/Mailbox"
MAILDROP="$HOME/Mailbox"
export MAIL MAILDROP
/etc/csh.cshrcに以下を追記する.
setenv MAIL $HOME/Mailbox
setenv MAILDROP $HOME/Mailbox
== 起動
# cp /var/qmail/boot/home /var/qmail/rc
((<URL:http://opensource.sf-tec.de/qmail/qmail-send.service>))を参考にして qmail.service を作成する.
# vi /etc/systemd/system/qmail.service
[Unit]
Description=Qmail mail delivery daemons
After=network.target
[Service]
ExecStart=/var/qmail/bin/qmail-start ./Mailbox splogger qmail
Environment=PATH=/var/qmail/bin:${PATH}
Restart=always
[Install]
WantedBy=multi-user.target
qmail を起動し, きちんと起動したことを確認する.
# systemctl start qmail.service
# systemctl
ブート時に自動的に起動させるため, 追加設定を行う
# systemctl enable qmail.service
再起動を行い, 自動的に起動することを確認する.
== 配送テスト
((<qmail-1.03: 配送テスト|URL:http://man.qmail.jp/jinstall/test.deliver.html>))
に従い, 配送テスト (ローカル配送, リモート送り出しテスト) を行う.
=== [テスト 1] ローカル配送テスト part1
~chikuwa/Mailbox が生成されているか確認し, 生成されていない場合は, Mailbox が生成されるように .qmail を作成し, 以下のように書き込む.
$ vi .qmail
/home/chikuwa/Mailbox
配送テストを行う. 自分に送ってみる. 以下のコマンドを実行する.
~chikuwa/Mailbox にメールが送られることを確認する.
$ echo to: chikuwa | /var/qmail/bin/qmail-inject
=== [テスト 2] ローカル配送テスト part2
存在しない宛先に送ってみる. バウンスメールが ~chikuwa/Mailbox に送られてく
ることを確認する.
$ echo to: nonexistent | /var/qmail/bin/qmail-inject
ここで, ヘッダのタイムゾーンが -0000ではなくて+0900になっていることを確認する. そうなっていないときには, qmail-date-localtime.patchが正しく当たっていない可能性がある.
配送後, ログを確認すると, triple bounce となっておりバウンスメールが返って来ないが, 問題無いものとして先に進める.
=== [テスト 3] リモート送り出しテスト part1
他のホスト上のアカウントへ送って, 届いていることを確認する. 届かなければ,
/var/log/syslog を参照して原因を追求する.
$ echo to: hoge_at_gfd-dennou.org | /var/qmail/bin/qmail-inject
作業ログにおける注意: スパム対策のため, 実在のアドレスをそのまま作業ログに記入しないこと. 書く必要がある場合は関係者が分かる範囲で書き換えること.
=== [テスト 4] リモート送り出しテスト part2
他のホスト上の存在しない宛先に送る.
-f オプションでバウンスの送り先を指定する.
$ echo to: hoge_at_gfd-dennou.org | /var/qmail/bin/qmail-inject -f chikuwa_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp
chikuwa_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp にバウンスが来ていることを確認する.
== sendmail の「置き換え」
((<qmail 1.03: sendmailをqmailへ置き換える|URL:http://man.qmail.jp/jinstall/install3.html>)),
および
((<qmail 1.03: sendmailをシステムから削除する方法
|URL:http://man.qmail.jp/jinstall/remove.sendmail.html >))
に従う.
ただし, sendmail ではなく, exim がインストールされている場合は, exim
を無効にする.
まず, exim4 が起動している場合は停止.
# /etc/init.d/exim4 stop
exim のブートスクリプトは, /etc/init.d/exim4 で, これに
/etc/rc[2-5].d/S20exim, /etc/rc{1,6}.d/K20exim からリンクが張られてい
る. これを無効にする.
# chmod 000 /etc/init.d/exim4
# mv /etc/init.d/exim4 /etc/init.d/exim4.bak
# update-rc.d exim4 remove
cron から exim が呼び出される処理を無効にする.
/etc/cron.daily/exim4-base の先頭の方に次の行を書き足す.
3 行目の [ と ! の間にはスペースがあることに注意. 詰めて書いてはいけない (man [(1)).
(「[」と「と」, 「と」と「!」の間にスペースを入れた)
#!/bin/sh
# by Yasuhiro MORIKAWA, 2007-08-10. We need not exim.
if [ ! -f /etc/exim.conf ]; then
exit 0
fi
これで, /etc/cron.daily/eximは, /etc/exim.confが存在しない場合には何も
せず終了するようになった.
そして, sendmailを置き換える.
# chmod 000 /usr/lib/sendmail
# chmod 000 /usr/sbin/sendmail
# mv /usr/lib/sendmail /usr/lib/sendmail.bak
# mv /usr/sbin/sendmail /usr/sbin/sendmail.bak
# ln -s /var/qmail/bin/sendmail /usr/lib/sendmail
# ln -s /var/qmail/bin/sendmail /usr/sbin/sendmail
次のコマンドで exim4 関係のパッケージを hold して, 更新されないようにする.
# echo exim4 hold | dpkg --set-selections
# echo exim4-base hold | dpkg --set-selections
# echo exim4-config hold | dpkg --set-selections
# echo exim4-daemon-light hold | dpkg --set-selections
Debian パッケージの枠組で cron と exim4 (MTA なら何でもよい) は依存関
係があるので, exim4 を消してしまうと cron が利用するメールサーバが
Debian パッケージの枠組内では存在しないと認識されてしまう. そのため,
exim4 を消さずにあえて残している.
== とりあえず用の smtp の設定
後で tcpserver をインストールするので, 最終的にこの設定は不要にな
る. とりあえず受信テストのために以下のように inetd を設定する.
/etc/inetd.conf に以下を追加する.
smtp stream tcp nowait qmaild /var/qmail/bin/tcp-env tcp-env /var/qmail/bin/qmail-smtpd
/etc/inetd.conf を読み直させるために次を実行する.
# /etc/init.d/openbsd-inetd restart
qmail の設定ファイルを作成する. chikuwa のアカウントの設定ファイル .qmail を作成し,
/home/ユーザ名/Mailbox
と書く.
以下のコマンドを実行する.
$ export MAIL=~/Mailbox
他のホストのアドレスで chikuwa3_at_tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp へメールを送信し, Maildir の中身を確認する.
参考:((<URL:http://man.qmail.jp/jinstall/test.receive.html>))
== 参考資料
* ((<[ITPASS2015] qmail のインストールと設定>))
* ((<"セカンダリメールサーバの構築 (北大 EPnetFaN)"|URL:http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epmail/y2011/dvlop/www.html>))
* ((<qmail netqmail における 512 バイトを超える DNS 応答の不適切な取り扱いについて|URL:http://jprs.jp/tech/notice/2011-03-03-inappropriate-handling-for-long-dns-packet.html>))
* ((<Life with qmail|URL:http://ya.maya.st/mail/lwq.html#dns-patches>))
* ((<qmail を DNSSEC に対応させるパッチの適用|URL:http://blog.netandfield.com/shar/2011/02/qmail-dnssec.html>))
[((<ITPASSサーバ構築・運用ドキュメント>)) へ戻る]