[Memo2021][ITPASS]quota のインストールと設定
概要
ここでは, 各ユーザのディスク使用量を
- ソフトリミット 40 GB
- ハードリミット 48 GB
に制限するために quota を導入する.
なおユーザによっては quota を変更している (大きく設定している). 2014 年度までに変更しているユーザについては以下の手順に書いているが, このマニュアル作後に変更があるかもしれないので, 作業前に old における quota 設定を確認しておくこと.
準備
カーネルが quota に対応しているか確認
以下のコマンドを入力し, 確認を行う. ( 4.9.0-8-amd64 等はカーネルのバージョンに合わせる)
$ uname -r 5.10.0-9-amd64 $ grep CONFIG_QUOTA /boot/config-5.10.0-9-amd64 CONFIG_QUOTA=y CONFIG_QUOTA_NETLINK_INTERFACE=y # CONFIG_QUOTA_DEBUG is not set CONFIG_QUOTA_TREE=m CONFIG_QUOTACTL=y
quota コマンドが入っているか確認
dpkg -l でパッケージの一覧を表示し, "quota" を含む行を表示する.
$ dpkg -l | grep quota
quota が入っていない場合は, 次のように quota のインストールを行う.
quota のインストール
root 権限を得る ( itpadmin グループに入っているユーザ、または chikuwaXX のユーザーのみ可能 ).
$ sudo -s
quota パッケージをインストールする.
# apt-get install quota
/etc/fstab の編集
# vi /etc/fstab
で, 以下のように home を含むファイルシステム ( /dev/sda6 ) の <options> 項目に usrquota を追加する.
# /etc/fstab: static file system information. # # Use 'blkid' to print the universally unique identifier for a # device; this may be used with UUID= as a more robust way to name devices # that works even if disks are added and removed. See fstab(5). # # <file system> <mount point> <type> <options> <dump> <pass> # / was on /dev/sda1 during installation UUID=88b6f844-b299-42f7-9116-1927db6dd294 / ext4 errors=remount-ro 0 1 # /home was on /dev/sda6 during installation UUID=e2d384a2-4b77-4075-aaa4-ebb455629120 /home ext4 defaults,usrquota 0 2 ^^^^^^^^ # swap was on /dev/sda5 during installation UUID=452f2ffa-baa1-414f-81aa-cb85762033c4 none swap sw 0 0 # swap was on /dev/sdb5 during installation UUID=7381c9f9-29fe-4fc1-a14a-aef0aa986361 none swap sw 0 0 /dev/sr0 /media/cdrom0 udf,iso9660 user,noauto 0 0
再起動する.
# reboot
quota の記録ファイル ( aquota.user ) の作成
quota を停止させる.
# /etc/init.d/quota stop
- aquota.user ファイルを作成するために以下のコマンドを実行する.
ファイルシステムは /home 領域をマウントしたものを指定する. まずファイルシステムを調べ, /home になっているファイルをさがす.
# df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on udev 16G 0 16G 0% /dev tmpfs 3.2G 9.2M 3.2G 1% /run /dev/sda1 916G 17G 853G 2% / tmpfs 16G 0 16G 0% /dev/shm tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock tmpfs 16G 0 16G 0% /sys/fs/cgroup /dev/sda3 189M 5.1M 183M 3% /boot/efi /dev/sda4 2.7T 559G 2.0T 22% /home # quotacheck -m -cu /dev/sda4 quotacheck: Cannot find mountpoint for device /dev/sda4 quotacheck: No correct mountpoint specified. quotacheck: Cannot initialize mountpoint scan.
とすると aquota.user ファイルが作成される.
aquota.user ファイルのパーミッションが以下の様になっていることを確認する.
# ls -l /home/aquota.user -rw------- 1 root root 13312 Nov 15 16:25 /home/aquota.user
quota の起動
# /etc/init.d/quota start
なお, /etc/fstab の編集 で行った fstab の修正もここで反映される.
ユーザの quota 設定
gate ユーザの quota 設定
gate-toroku-system は新規ユーザのホームディレクトリを作成した際に, gate ユーザに設定された quota を新規ユーザに適用する. そのため, まず gate ユーザに quota を設定する.
gate ユーザにソフトリミット 40 GB, ハードリミット 48 GB の quota をかける.
# export EDITOR=vim # edquota gate
デフォルトで立ち上がるエディターが使いにくい場合は上記のようにエディターを変更する. 上記の場合には vim が立ち上がる.
容量のリミットは, soft 項目 40 000 000 (単位は KB), hard 項目 48 000 000 (単位は KB). ファイル数のリミットは, soft 項目も hard 項目も 0 (単位はファイル数).
具体的には以下の通り.
Disk quotas for user gate (uid 500):
Filesystem blocks soft hard inodes soft hard /dev/sda6 5148 40000000 48000000 1026 0 0
ソフトリミット超過の猶予期間
デフォルトは 7 日間である. 変更する場合は edquota コマンドの -t, -T オプションを使う. 詳しくは man を参照.
既存ユーザの quota 設定
gate ユーザの quota を, 既に /home に存在する全てのユーザに適用させる.
# cd /home # edquota -p gate `gate-user-list stable`
山中大学先生 (mdy) のアカウントはソフトリミット 96GB, ハードリミット 112GB に変更した.
# edquota mdy
以下のコマンドで各ユーザの quota の情報を確認する.
# repquota -v /home
動作確認
- 一時的に適当なユーザ (ここでは hogehoge とする) の quota の設定をソフトリミット 100 MB, ハードリミット 150 MB にする.
- テストユーザを作成して行う.
- 今年度は作業者のアカウントchikuwa2でテストを行った.
dd コマンドを用いて, 100 MB のソフトリミットを越えるサイズのファイルを作成し, 警告されるかどうかを確認する.
# edquota hogehoge
hogehoge ユーザのホームで次のコマンドを実行する.
# su hogehoge $ cd $ dd if=/dev/zero of=tmp bs=1000k count=200
これにより /dev/zero を入力ファイルとして, tmp を出力ファイルとして読み書きする. bs は一度に行う読み出し書き込みのサイズ, count は読み出し書き込みの回数である. ( このようにすると, 1000 kbytes × 200 のサイズのファイル tmpが作成される. )
- 以下のような警告が表示されることを確認する.
sda6: warning, user block quota exceeded. 200+0 レコード入力 200+0 レコード出力 204800000 bytes (205 MB, 195 MiB) copied, 0.127011 s, 1.6 GB/s
- tmp を削除し, 同様にハードリミットを越えるサイズのファイルを作成し, 警
告されるかどうか確認する.
$ dd if=/dev/zero of=tmp bs=1000k count=250
- 以下のような警告が表示されることを確認する.
sda6: write failed, user block limit reached. dd: 'tmp' の書き込みエラー: ディスク使用量制限を超過しました 151+0 レコード入力 150+0 レコード出力 153600000 bytes (154 MB, 146 MiB) copied, 0.0997493 s, 1.5 GB/s
テスト用に作ったユーザは削除する.
動作確認をした後, 忘れずにファイルを削除し, quota の設定も元に戻しておくこと. さらにテスト用に作ったユーザーも削除すること. 動作確認終了後ファイルとテストユーザを削除し, quota の設定が元通りかを確認する.
ユーザのディスク使用状態の確認
自身のアカウントのディスク使用状態は, 以下のコマンドで確認できる.
$ quota
ちなみに, root 権限を持つユーザが
# quota [ユーザ名]
と打つと, [ユーザ名] のディスク使用状態を見ることが出来る.
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References:[[ITPASS2021]2021年度サーバ構築ログ]