[ITPASS2016]サーバ交換事作業 1 週間後に行う作業
本サーバから予備サーバへのバックアップ設定
概要
ITPASS サーバにはバックアップとサーバ本体のトラブル時に代替するための予備サーバを立ててある. /home 以下のいくつかの領域に関して, ITPASS サーバ本体から予備サーバへ定期的にバックアップを取る.
この作業は, 本サーバが正しく動作しているかの確認が取れてから行うため, サーバ交換後すぐには行わず, サーバ交換後しばらくしてから行う.
バックアップする領域
バックアップを取る領域は, 原則的にグループで管理する資源や, システムにとって必要な資源である.
2016/12/12 現在, 以下の領域をバックアップの対象とする.
- aoelab epalab itpass gate
また以下の領域については, バックアップ日時ごとにディレクトリを作成するローカルバックアップを実行している (例: ~epalab/hiki -> ~epalab/hiki.bk/20141005-172930). バックアップデータは 230_rsync_itpassbk により予備サーバへ転送される.
- epalab/hiki itpass/hiki itpass/hiki-secret
バックアップの際の認証方式
バックアップには rsync を用いる. 様々な権限のファイルに対応できるよう root アカウントでバックアップを行うが, セキュリティを高めるため, 予備サーバーへの転送の際は認証に SSH + 公開鍵暗号を用いる.
準備
以降では, 運用中の ITPASS サーバのホスト名を itpass, 予備サーバを itpassbk と称する. 実際には, 使用するホストの名称に置き換えて作業を行う.
まず, itpass, itpassbk ともに SSH デーモンが立ち上がっていることを確認し, もし立ち上がっていない場合は [ITPASS2016]sshのインストールと設定が ちゃんと行われているか確認した上で立ち上げること.
itpass 側での公開鍵作成
バックアップのための公開鍵を作成する.
itpass$ sudo -s -H itpass# cd /root itpass# ssh-keygen -t rsa -b 4096 (鍵の置き場はデフォルトの /root/.ssh/id_rsa とする) (鍵の強度を上げるため, -b 4096 のオプションをつけている) (パスフレーズは空にする)
itpassbk 側の鍵の設置
itpass で作成した公開鍵 itpass:/root/.ssh/id_dsa.pub を itpassbk:/root/.ssh/authorized_keys の最後尾に追記する (ファイルがない場合は作成する.). ここで itpass から直接追記しようとすると, itpassbk 側の root パスワードが必要になるので, 一旦 itpassbk の自分のディレクトリに鍵を置いた後, itpassbk で root となり authorized_key に追記する.
itpassbk: # cat ./id_rsa.pub >> /root/.ssh/authorized_keys
更にパーミッションを変更する.
itpassbk: # chmod 600 /root/.ssh/authorized_keys
しかし, このままでは itpass で root を取られると itpassbk もそのまま乗っ取られることが考えられるため, 公開鍵認証の際にはバックアップ以外の動作をできないよう, また itpass 以外からのアクセスを受け付けないよう制限をかける. そのために, 上記で設置した authorized_keys 内の itpassbk の公開鍵の行の冒頭に以下を加える. なお, 見やすさのため改行してあるが, 一行で書くこと. またカンマの前後に空白は開けないこと. そして, 最後の "no-agent-forwarding" と公開鍵の冒頭に書いてある "ssh-dss" または "ssh-rsa" の間には空白を一文字入れること.
command="rsync --server -vvlogDtpre.iLsf --delete . /home/",no-pty, from="ika-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp",no-port-forwarding, no-X11-forwarding,no-agent-forwarding
これをauthorized_keys 内の itpassbk の公開鍵の行の冒頭に加える.
itpassbk 側の通信許可
最近の OpenSSH では, デフォルトでは root のログインを許可しないため, 設定を変更する. /etc/ssh/sshd_config の
PermitRootLogin no
という部分を
PermitRootLogin forced-commands-only
に変更したのち,
itpassbk# /etc/init.d/ssh restart
として設定を反映させる. これにより, itpassbk 側の鍵の設置 で指定したコマンドでのみログインを許可することとなる.
itpass 側でのデータ転送用スクリプトの設置
バックアップスクリプトを置くディレクトリの確認
オリジナルの cron 用スクリプトは /etc/cron.local/daily に置く. もしこのディレクトリがなければ [ITPASS2016]システムログメールの設定 が行われていない可能性があるので システムログメールの作業担当者に連絡すること.
バックアップ用スクリプトの用意
rsync_itpassbk.sh をダウンロードする. これを /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk に設置する.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/2016/system_backup/rsync_itpassbk.sh # mv rsync_itpassbk.sh /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk
/etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk に実行権限を設定する.
# chmod 755 /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk
バックアップスクリプトの書き換え
# vim /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk BKSUBDIRS="aoelab cps epalab itpass gate"
のcps の部分を消す.
hiki データバックアップスクリプトの設置
rsync_localbk_hiki.sh を /etc/cron.local/weekly/210_rsync_localbk_hiki に設置する.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/2016/system_backup/rsync_localbk_hiki.sh # mv rsync_localbk_hiki.sh /etc/cron.local/weekly/210_rsync_localbk_hiki
/etc/cron.local/weekly/210_rsync_localbk_hiki に実行権限を設定する.
# chmod 755 /etc/cron.local/weekly/210_rsync_localbk_hiki
crontab の編集
/etc/crontab を編集する. 以下の 2 行があることを確認する.
25 6 * * * root cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily 47 6 * * 7 root cd / && run-parts --report /etc/cron.local/weekly
バックアップログファイルの作成
ログファイルのためのディレクトリとファイルを作成する.
# mkdir /var/log/rsync-log # touch /var/log/rsync-log/itpassbk.log # touch /var/log/rsync-log/localbk_hiki.log
バックアップログファイルの logrotate の設定
データ転送の際の rsync のログを 1 週間毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_itpassbk という設定ファイルを作成する.
# vi /etc/logrotate.d/rsync_itpassbk
以下の内容を書き込む.
/var/log/rsync-log/itpassbk.log { weekly create 0644 root root rotate 12 }
hiki データのバックアップの際の rsync のログは 1 ヶ月毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_localbk_hiki という設定ファイルを作成する.
# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_hiki
以下の内容を書き込む.
/var/log/rsync-log/localbk_hiki.log { monthly create 0644 root root rotate 12 }
itpassbk のローカルバックアップの停止
210_rsync_localbk_hiki, 220_rsync_localbk_root, 225_rsync_localbk_home の実行権限を外す.
# cd /etc/cron.local # chmod a-x weekly/210_rsync_localbk_hiki daily/220_rsync_localbk_root daily/225_rsync_localbk_home
スクリプトの動作確認
ホスト鍵の追加
itpass 側に itpassbk のホスト鍵を追加する.
itpsass: # ssh [itpassbkのホスト名] The authenticity of host 'tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp (133.30.109.21)'can't be established. ECDSA key fingerprint is 06:e7:4a:de:2e:16:33:03:d5:0c:fd:32:bd:72:fa:57. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes Warning: Permanently added 'tako-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp,133.30.109.21' (ECDSA) to the list of known hosts.] PTY allocation request failed on channel 0 接続を続けるか問われるので yes と入力して続行し, ホスト鍵を追加する. ssh 接続は許可していないので接続はできないが問題ない.
スクリプトの動作確認
このあと /etc/crontab の時刻を変更して正しくバックアップスクリプトが実行されているか確認する. 確認後はもとに戻しておくこと.
/etc/hosts に書かれている IP アドレスとホスト名の対応が正しいかどうか確認する. 具体的には
133.30.109.22 ika-itpass.scitec.kobe-u.ac.jp ika-itpass
である.
/etc/crontab の時刻を変更して正しくバックアップスクリプトが実行されているか確認する. 確認後はもとに戻しておくこと.
参考資料
不要なファイルの削除
運用開始から 1 週間をめどに, 参考のために old からコピーしたファイル類を削除する. また emacs で編集した際の一時ファイル(ファイル名~ など)もあれば削除する.
Keyword(s):
References: