[ITPASS2014]ローカルでのバックアップの設定

目的

ITPASS サーバでは, 一部の領域 (itpass などグループで使用している領域) について, 普段は予備サーバへのバックアップを行っている. (詳しくは [ITPASS2011a]サーバ交換作業 1 週間後に行う作業 を参照のこと).

サーバの交換時は予備サーバにバックアップすることができないので, 代わりの冗長性を持たせるために システムがインストールされているディスクとは別のディスクに ローカルバックアップを取るようにしておく. このとき, 万が一本サーバのディスクが故障したときの 復旧を容易にするために 普段より多めのデータをバックアップしておく.

通常運用中にはローカルバックアップは行わない.

概要

以下では, ローカルバックアップを取っておく方法について記す.

  • ika にバックアップ用のディスクを取り付ける.
    • 通常は最初から付いている.
  • 1 日 1 回, 以下のバックアップを取るように cron スクリプトを設置する.
    • 下記以外のものを全てバックアップする
      • /tmp/, /proc/, /dev/, /sys/ 等のシステム固有なものや一時的に用いるもの
      • /home/aquota.user

予備ディスクの準備

以下は, 既に本体ディスクが取り付けられており, これから予備ディスクをフォーマット, マウントすることを想定した文書である. 既に予備ディスクがフォーマット, マウントされている場合には #バックアップスクリプトの設置 から作業を始めよ.

予備ディスクのパーティショニングとフォーマット

予備ディスクのフォーマットを行う. 本体ディスクと取り替えられるよう, 以下のように本体ディスクと同様な構成にする. なお, ここに書いてある例は, 本体ディスクが /dev/sda, 予備ディスク が /dev/sdb の場合である.

# parted -l
Model: ATA Hitachi HDS72302 (scsi)
Disk /dev/sda: 2000GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: gpt

Number  Start   End     Size    File system     Name  Flags
 1      17.4kB  60.0GB  60.0GB  ext4                  boot
 2      60.0GB  92.0GB  32.0GB  linux-swap(v1)
 3      92.0GB  2000GB  1908GB  ext4


Model: ATA Hitachi HDS72302 (scsi)
Disk /dev/sdb: 2000GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: gpt

Number  Start   End     Size    File system     Name  Flags
 1      17.4kB  60.0GB  60.0GB  ext4
 2      60.0GB  92.0GB  32.0GB  linux-swap(v1)
 3      92.0GB  2000GB  1908GB  ext4

設定後に, 以下のコマンドでファイルシ ステム ext4 としてフォーマットを行う.

# mkfs.ext4 /dev/sdb1
# mkfs.ext4 /dev/sdb3

fstab の設定 (予備ディスクのマウント)

今回のディスクを /bk にマウントするよう /etc/fstab を書き換える.

# vi /etc/fstab

以下の行を追加する. (1 行目はコメントなので無視せよ).

# <file system> <mount point> <type> <options>                  <dump> <pass>
/dev/sdb1       /bk           ext4    defaults,errors=remount-ro 0       2
/dev/sdb3       /home.bk      ext4    defaults,usrquota          0       2

/bk ディレクトリを作成しておく.

# mkdir /bk /home.bk

mount コマンドで, /bk に /dev/sdb1 が, /home.bk に /dev/sdb3 がマウントされることを確認する.

# mount -a

このコマンドの後, 以下のように df コマンドでディスクのマウントの状態を 確認し, /dev/sdb1 が /bk にマウントされていることを確認せよ.

% df
ファイルシス                                           1K-ブロック      使用     使用可 使用% マウント位置
rootfs                                                    57674192  16465332   38279176   31% /
udev                                                         10240         0      10240    0% /dev
tmpfs                                                      1663344       412    1662932    1% /run
/dev/disk/by-uuid/28c65901-9450-42e8-a724-20925e65352c    57674192  16465332   38279176   31% /
tmpfs                                                         5120         0       5120    0% /run/lock
tmpfs                                                     15826680         0   15826680    0% /run/shm
/dev/sda3                                               1834427936 404597468 1336646932   24% /home
/dev/sdb1                                                 57674192  16399040   38345468   30% /bk 
/dev/sdb3                                               1834427936 404599840 1336644560   24% /home.bk

バックアップスクリプトの設置

バックアップの際には cron を用い, rsync によるバックアップを毎日自動的に行 う. またその rsync の結果をログに残す.

バックアップ用スクリプトの用意

  • root ディレクトリと home ディレクトリ用にそれぞれバックアップ用スクリプトを設置する.

    • root ディレクトリ用: rsync_localbk_root.sh を, /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root へ設置する

      # wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/server/2011/system_backup/rsync_localbk_root.sh
      # mv rsync_localbk_root.sh&
        /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
    • home ディレクトリ用: rsync_localbk_home.sh を, /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home へ設置する

      # wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/server/2011/system_backup/rsync_localbk_home.sh
      # mv ./rsync_localbk_home.sh /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

    (スクリプト先頭の番号は, その他のスクリプトを置いた際, どれを優先して実 行するかを決めるためのものである. 若い番号のものほど先に実行される).

  • 実行権限の追加

    /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root と /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home に実行権限を追加する.

    # chmod 744 /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
    # chmod 744 /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

crontab の編集

/etc/crontab を編集する. 以下の一行があるか確認し, なければ追加する.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily

出力結果に関してメールを送信したい場合には以下のようにすると良い.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily |mail -s "`hostname -f` daily run outputs" xxx@xxx.xxxx

バックアップログファイルの作成

ログファイルのためのディレクトリとファイルを作成しておく. なお, このログファイルの場所は #バックアップ用スクリプトの用意 で用意した 220_rsync_localbk_root と 225_rsync_localbk_home 内の LOGFILE を書き換えることで変更できる.

# mkdir /var/log/rsync-log
# cd /var/log/rsync-log
# touch localbk_root.log localbk_home.log 

バックアップログファイルの logrotate の設定

rsync のログを 1 週間毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_localbk_root という設定ファイルを作成.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_root

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_root.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

同様に, rsync_localbk_home も作成する.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_home

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_home.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

バックアップのテスト

# ./220_rsync_localbk_root
# ./225_rsync_localbk_home

バックアップがうまくできているか, ログファイルを確認する.

本サーバから予備サーバへのバックアップの停止

ローカルバックアップが cron によってうまく実行されたことを確認した後, 本サーバから予備サーバへのバックアップを止める. 本サーバから予備サーバへのバックアップを行っているスクリプトの実行権限を消す.

# chmod 644 /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk

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