[EPA2008]tcpserverのインストールと設定
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smtp サービスを提供する上で, tcpserver 越しに qmail-smtpd を動かすため, tcpserver をインストールする. tcpserver はデータベースを持っており, 大規模, 複雑な接続制御が高速に行える.
参考: <URL:http://www.emaillab.org/djb/tcpserver/whatis.html>
inetd からの qmail 起動を停止
テストのために記述していた /etc/inetd.conf の smtp で始まる行をコメントアウトする. そして, inetdを再起動.
# /etc/init.d/openbsd-inetd restart
smtp ポートを listen しているプログラムがないことを確認する.
# netstat -l
ソースの取得と展開, パッチ当てとmake
参考: <URL:http://cyberam.dip.jp/linux_server/mail/qmail_main.html>
# wget http://tools.qmail.jp/ucspi-tcp/ucspi-tcp-0.88.tar.gz # wget http://cr.yp.to/ucspi-tcp/ucspi-tsp-0.88.tar.gz (1 つ目がつながりにくい場合は2 つ目でする.) # wget http://qmail.org/moni.csi.hu/pub/glibc-2.3.1/ucspi-tcp-0.88.errno.patch # tar xfz ucspi-tcp-0.88.tar.gz # cd ucspi-tcp-0.88 # patch -p1 < ../ucspi-tcp-0.88.errno.patch
インストール先を /usr/local/ucspi-tcp に変更. すなわち, conf-home の一行目を /usr/local/ucspi-tcp に書き換える.
# make # make setup check
インストールした実行ファイルへのパスの設定
インストールされた tcpserver の実行ファイル群へパスを通す.
[EPA2008]パスの設定 の <一般ユーザ用コマンドのパス> に /usr/local/ucspi-tcp/bin を追加する. (システム用コマンドも一般ユーザ用コマンドと同じ場所に インストールされているため, システム用コマンド用の設定を 別途行う必要は無い).
起動テスト
使いかたは
# tcpserver
とすると出力される. 詳しくは <URL:http://cr.yp.to/ucspi-tcp/tcpserver.html> に書いてある.
qmaildのUID, nofilesのGIDを確認.
$ id qmaild uid=111(qmaild) gid=200(nofiles) groups=200(nofiles)
以下を実行し, tcpserverを起動.
# tcpserver -u xxxx -g yyyy 0 smtp /var/qmail/bin/qmail-smtpd &
ここで, xxxx は qmaild の UID, yyyy は nofiles の GID である.
メール受信テストを [EPA2008]qmailのインストールと設定#smtp(仮) のところでやったようにやってみる. すなわち, 他のホストから自分のメールアドレスに宛ててメールを送ってみる.
起動スクリプト作成
起動スクリプトを /etc/init.d/tcpserver に作成する. 中身は tcpserver 起動スクリプト を参照のこと.
# cd /etc/init.d/ # touch tcpserver # chown root:root tcpserver # chmod 755 tcpserver # vi tcpserver
編集後, update-rc.d スクリプトでランレベルごとの設定を 行う.
# update-rc.d tcpserver defaults
ホスト制限設定
smtp 中継を許可するホストを指定する. <URL:http://man.qmail.jp/faq/faq5.html#5.4.> を参考にホストリストファイル tcp.smtp を作成し, そのファイルを 元に CDB データベースファイルを作成する.
今回は /usr/local/ucspi-tcp 以下に etc ディレクトリを作成し, その 中にこれらのファイルを作成する.
# mkdir /usr/local/ucspi-tcp/etc # cd /usr/local/ucspi-tcp/etc
tcp.smtp を書く. 例えば, 133.30.109.XX という IP アドレスのホスト からの smtp 中継を許可するためには, この 1 行目のように書く. 2 行目の 127. はローカルホストを指す. これは常に書くこと.
133.30.109.XX:allow,RELAYCLIENT="" 127.:allow,RELAYCLIENT=""
1 行目の 133.30.109.XX は後で設定確認するための作業用である. 作業者がアカウントを持つ他のマシンの IP アドレスを記入する.
次に以下のコマンドを実行する. tcp.smtp を元に tcp.smtp.cdb ができる.
# tcprules tcp.smtp.cdb tcp.smtp.tmp < tcp.smtp
tcpserver 起動スクリプト /etc/init.d/tcpserver の起動行は以下のように 編集しなおす (複数行で表示されるかもしれないが, 1 行で書くこと).
/usr/local/bin/tcpserver -v -x /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp.cdb -u xxxx -g yyyy 0 smtp /var/qmail/bin/qmail-smtpd 2>&1 | /var/qmail/bin/splogger smtpd 3 &
xxxx は qmaild の UID. yyyy は nofiles の GID である.
修正された起動スクリプトは tcpserver 起動スクリプト修正版 においてある
追加された部分を説明すると -x /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp.cdb はデー タベースファイル /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp.cdb を参照させるための 設定である. また, 接続の記録を取るために -v オプションと splogger へ の受け渡しが記述されている.
ホスト制限確認
tcpserver プロセスを再起動する.
# /etc/init.d/tcpserver restart
先ほど /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp に書いた IP アドレス (ここでは, 133.30.109.XX) を持つパソコンから telnet でアクセスし, メールサーバ以外のホストへのメール送信を試みる. (下記のコマンドについては <URL:http://man.qmail.jp/jinstall/test.receive.html> を参照). プロンプト入力時には, 左端に '>' を記してある. 実際には表示されない.
% telnet ika.ahs.scitec.kobe-u.ac.jp 25 Trying 133.30.109.XX... Connected to ika.ahs.scitec.kobe-u.ac.jp. Escape character is '^]'. 220 ika.ahs.scitec.kobe-u.ac.jp ESMTP > helo dude 250 domain > mail <mondo@ahs.scitec.kobe-u.ac.jp> 250 ok > rcpt <hogehoge@gfd-dennou.org> # <- 実在のアドレスへ 250 ok > data 354 go ahead > Subject: testing > > This is a test. > . 250 ok 812345679 qp 12345 > quit 221 domain Connection closed by foreign host. %
このメールが届くことを確認すること. 次に, /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp に記述されていない他のホストから同様 の作業を行う. この際には rcpt <hogehoge_at_gfd-dennou.org> を入力した段階で
553 sorry, that domain isn't in my list of allowed rcpthosts (#5.7.1)
というエラーメッセージが返り, メールの送信を拒絶されるはずである. そう ならない場合, ホスト制限がうまく動作していないことになるため, ホスト制限設定 から作業をやり直し, ホスト制限 が行われていることを確認すること.
先程, 作業用に使用していた設定 (tcp.smtp の 1 行目) はもう不要なので削除する. 構成員がこのサーバを SMTP サーバーとして使用する場合は, 接続を許可する IP のリストを書き加えること.
もう一度以下のコマンドを実行して. tcp.smtp.cdb を書き換える.
# tcprules tcp.smtp.cdb tcp.smtp.tmp < tcp.smtp
先程までメールを送れたマシン (IP: 133.30.109.XX) からメールが送れなくなっていることを確認.
ホスト制御データベース更新スクリプト作成
tcprules などのコマンドを覚えておくのは面倒なので, /usr/local/ucspi-tcp/etc/ 以下に更新スクリプト を置いてある. tcprules を覚えているというのであれば, 以下は必要ない.
/usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp を更新後は
$ /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp_smtp_update.sh update
でデータベースファイルが更新され, tcpserver プロセスが再起動する.
上のスクリプトを実行する.
# /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp_smtp_update.sh update
以下のように表示されれば成功.
Updating /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp.cdb using /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp /usr/local/ucspi-tcp/bin/tcprules /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp.cdb /usr/local/ucspi-tcp/etc/tcp.smtp.tmp /etc/init.d/tcpserver restart Restarting tcpserver Stopping smtp server: tcpserver Starting smtp server: tcpserver Update is successful.
更新したデータベースの内容に応じて正しくメールが送れていることを確認できたら OK.
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References:[[EPA2008]2008年度前期サーバ構築ログ]